- 2025/09/06 掲載
カナダ失業率、8月は7.1%に悪化 米関税で雇用や投資抑制
[オタワ 5日 ロイター] - カナダ統計局が5日発表した8月の失業率は前月より0.2%ポイント悪化して7.1%となり、新型コロナウイルス禍の時期を除くと、2016年5月以来、9年3カ月ぶりの水準まで悪化した。雇用者数はパートタイムを中心に前月比6万5500人減り、失業者数は約160万人となった。
ロイターがまとめた市場予想は、雇用者数が1万人増、失業率は7.0%だった。
カナダ経済は米政権の鉄鋼やアルミニウム、自動車への関税措置にもかかわらず底堅さが見られていたが、米関税政策の不透明感から企業が雇用や投資を抑え、影響が波及していることが浮き彫りになった。金融市場ではカナダ銀行(中央銀行)が9月17日に利下げを決める可能性が約92%と、発表前の72%から高まった。
8月の雇用率(労働年齢人口全体に占める就業者数の割合)は60.5%、労働参加率は65.1%にそれぞれ低下し、いずれもコロナ禍以降で最低水準だった。採用減に加え、解雇率が上昇して1%となった。中銀がインフレ動向の把握で重視する正規雇用者の平均時給は前年同月比で3.6%上昇。前月は3.5%上昇だった。
雇用減は、運輸・倉庫業で2万2700件、製造業で1万9200件。経済全体の雇用の約8割を占めるサービス部門は6万7200件の減少。このうち専門・科学・技術サービス業は2万6100件減だった。一方、雇用増は主に建設業で、1万7100件程度だった。
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