- 2025/09/10 掲載
NY市場サマリー(9日)S&P・ナスダック最高値、ドル上昇、利回り上昇
10日には米卸売物価指数(PPI)、11日には消費者物価指数(CPI)がそれぞれ発表される。トランプ政権による関税措置の物価への影響が示されるか注目される。
米労働省労働統計局(BLS)が9日発表した統計によると、今年3月までの1年間の国内雇用創出が従来の推計より91万1000人少なかったことが分かった。
同統計を受け、ドルは一時下落。しかし、為替市場の反応はおおむね限定的だった
終盤の取引で、ユーロ/ドルは0.5%安の1.1707ドル。
<債券> 米金融・債券市場では、長期債の買いが一服したことを受けて利回りが上昇した。米労働市場の弱さを示す雇用関連指標の修正が発表されたが、市場の利下げ観測はすでに織り込まれており、影響は限定的だった。
米労働省労働統計局(BLS)が9日発表した統計で、今年3月までの1年間の米国の雇用創出が従来の推計より91万1000人少なかったことが分かった。
先週発表された8月の米雇用統計でも弱い内容が示されたことで、市場では米連邦準備理事会(FRB)が9月16─17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに踏み切るとの見方が強まっている。利下げ幅やその後の金融政策の方向性が注目されている。
マーフィー&シルベスト(シカゴ)のシニア・ウェルスアドバイザー、ポール・ノルテ氏は「雇用の弱さはすでに利下げの根拠となっており、今回の修正はFRBの25(bp)利下げの方針を後押しする」と述べた。
CMEのフェドウオッチによると、市場は25bpの利下げを完全に織り込んでおり、50bp利下げの確率は約8%となっている。
<株式> 米国株式市場は続伸し、S&P総合500種とナスダック総合が終値ベースで過去最高値を更新した。米雇用統計の年次改定を受け、米連邦準備理事会(FRB)が来週の会合で利下げを再開するとの観測が改めて裏付けられた。
米労働省が9日発表した雇用統計の年次ベンチマーク(基準)改定の速報値で、今年3月までの1年間の米国の雇用創出が従来の推計より91万1000人少なかったことが分かった。
CMEのフェドウオッチによると、市場は来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイント(bp)の利下げを織り込んでおり、50bp利下げの確率も約10%あるとみられている。
マーフィー&シルベストの市場ストラテジスト、ポール・ノルテ氏は雇用統計の年次改定について「FRBに25bpの利下げを思いとどまらせるものではない」とし、労働市場の弱さを示していると述べた。
ユナイテッドヘルスが大幅高。公的医療保険事業の加入者数に関する見通しを好感した。
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米利下げ期待を背景に買い地合いが強まる中、3営業日続伸した。
8月の米雇用統計で労働市場の失速が鮮明になり、米連邦準備理事会(FRB)が16、17両日開く連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げ再開を決定することが確実視されている。この日は、米長期金利低下が一服したものの、利下げ期待を背景に利子の付かない資産である金の買いの流れが一段と加速。相場は一時3710ドル近辺まで上昇した。大台乗せの達成感による利益確定の売りは限定的で、堅調地合いを維持した。
市場の関心は、米労働省が10日、11日にそれぞれ発表する卸売物価指数(PPI)、消費者物価指数(CPI)に向いている。利下げ幅を巡り、0.25%かあるいは0.5 0%との見方に分かれており、FRBが金融政策の判断材料とする足元のインフレ動向を確認したいとの思惑が広がった。
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、中東の地政学リスク懸念や対ロ制裁強化への警戒感が根強く、続伸した。
中東の衛星テレビ局によると、カタールの首都ドーハで9日、大きな爆発が発生した。イスラエル軍は同日、イスラム組織ハマスの指導部を狙った精密攻撃だと発表。世界的エ ネルギー輸出国であるカタールでの報を受け、地政学リスクへの懸念が高まり、相場は朝方から買いが先行した。
また同日、ロシア軍はウクライナ東部ドネツク州の集落ヤロワを空爆した。現地メディアによると、年金の受給に並んでいた住民ら少なくとも24人が死亡。一方、ウクライナ軍は9日未明、ロシア南部の保養地ソチをドローン攻撃した。タス通信によると、破片が自動車に墜落し運転していた男性1人が死亡した。トランプ米大頭領が7日、ウクライナ侵攻を続けるロシアに対し制裁を強化する考えを示したことから、市場では米政権による 対ロ制裁強化への警戒感が根強い。
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