- 2025/09/26 掲載
沖縄知事「県経済の発展に」=酒税軽減廃止、販路再構築が課題―オリオン上場
「県経済の発展に期待したい」。沖縄県の玉城デニー知事はオリオンビールの25日上場を受けて期待感を示した。同県に本社を置く製造業で初めての東証プライム上場とあって、県内の金融関係者らからは「地元の株主も増え、県民の投資意欲も増すのでは」と地域経済を活性化させる効果を見込む声も聞こえる。
オリオンビールは1957年に「沖縄ビール」として創業。県内で圧倒的な販売シェアを誇る「県民のビール」として確固たる地位を築いた。しかし、他のアルコール飲料との競争激化などからビール類の市場環境は悪化。2019年には米投資ファンドのカーライル・グループと野村ホールディングスが約570億円で買収した。
両社の傘下に入ったことを「第二の創業」と位置付け、海外販路の拡大などを通じた事業再生を進めた結果、近年は増収増益基調に。25年3月期の連結売上高は過去最高を記録した。
一方で、上場後の課題も山積する。沖縄の本土復帰に伴い、1972年に政府が飲食業など地域産業の活性化へ導入した同県への酒税軽減措置は、来年度にビール類が廃止される。また、上場に伴いカーライルと野村は全保有株を売却。海外に強いネットワークを持つ両社から独り立ちした後、国内外でどう販路を構築していくか問われる。
りゅうぎん総合研究所の宮国英理子常務は「ネットワークを自分で構築しつつ、オリオンのブランド化を目指さなければいけない」と指摘。その上で「上場企業として地域貢献が求められ、地域との関係性が強くなることは県にとっても良いことだ」との見方を示した。
【時事通信社】 〔写真説明〕オリオンビール上場を記念して繁華街の国際通りに掲出された同社のロゴなど=25日午後、那覇市
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