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  • 2025/09/22 掲載

なぜ若者は“最低限しかやらない月曜”を選ぶのか……共感が集まる「驚きの新習慣」

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月曜日の朝、布団から出るのがどうしてもつらい。「また1週間が始まる」と思っただけで、頭も心も重くなる──そんな“月曜ブルー”を感じたことがある人は少なくないはずだ。そんな中、若い世代を中心に「ベア・ミニマムマンデー」が広がっている。月曜は“最低限しかやらない”と決めて、週初めのストレスをやわらげる新しい働き方だ。実はこの習慣には、誰もが日常で取り入れられるノウハウがある。もし、月曜の朝がもっとラクになる「新習慣」があるとしたら……知りたくないだろうか?
執筆:細谷 元

細谷 元

バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽制作ソフト、3Dソフト、ゲームエンジンを活用した「リアルタイム・プロダクション」の実験的取り組みでVRコンテンツを制作、英語圏の視聴者向けに配信。YouTubeではVR動画単体で再生150万回以上を達成。最近購入したSony a7s3を活用した映像制作も実施中。
http://livit.media/

  構成:ビジネス+IT編集部
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「月曜恐怖症」に悩む人々の実践的な解決策も紹介

なぜ今「頑張らない月曜日」が広がるのか

 日曜の夕方、「明日のタスクリスト」を思い浮かべた途端に、心がざわつき始める。そして迎える月曜日の朝、目覚ましが鳴るその瞬間に重たい気分に包まれる。この“月曜ブルー”、きっと多くの人が経験したことがあるはずだ。

 そんな中、米国で「ベア・ミニマムマンデー」という新たな働き方のトレンドが生まれ、Z世代を中心に広がりを見せている。これは月曜日に最低限の仕事のみを行い、週初めの負担を軽減しようという取り組みだ。

 このムーブメントの火付け役となったのは、デジタルクリエイターのマリサ・ジョー・メイズ氏。彼女はTikTokで自身の月曜日の過ごし方を公開し、日曜日の不安感と月曜日の圧倒的なタスクリストに悩まされていた経験を語ったところ、それが瞬く間に拡散した。

 メイズ氏によれば、月曜日の最初の2時間は「テクノロジーを使わず、メールチェックもせず、ジャーナリングや読書、家事など自分が心地よく1日を始めるために必要なことをする」時間に充てているという。

 このトレンドは「静かな退職(Quiet Quitting)」と類似点を持つが、重要な違いがある。静かな退職が継続的に最低限の仕事しかしない姿勢を指すのに対し、ベア・ミニマムマンデーは月曜日に限定され、その後の生産性向上を目的としている点だ。

 実際の生産性データも興味深い傾向を示している。RoboHead 10000という指標によると、2021年には月曜日の生産性スコアが93.3で全体平均との差はわずか-0.43%だったが、2023年には月曜日が98.8、全体平均が105.7となり、その差は6.53%まで拡大した。

画像
【グラフをみる】2021年:差ほぼゼロ → 2023年:6.53%の開き
(出典:RoboHead 10000

 しかし注目すべきは、全体的な生産性が2021年の92.9から2023年の105.7へと大幅に向上していることだ。月曜日の生産性は相対的に低下しているものの、週全体では生産性は高まっていることが示されている。

 これは、すでにベア・ミニマムマンデーを実践している人が多いことを示唆する数字であり、メイズ氏の投稿がバズった要因の1つと推察される。

 一方で、このトレンドには批判的な声も存在する。ドイツの人材紹介会社Robert Halfのマネージングディレクター、マルレーネ・ペールマン氏は、同僚への負担や、先送りしたタスクが後でより大きなストレスとなって返ってくる可能性を指摘。極端な場合は労働契約違反とみなされ、警告から解雇に至る可能性さえあると警鐘を鳴らしている。

“サザエさん症候群”を超えた次の「悩み」とは

 ベア・ミニマムマンデーの背景には、若い世代が抱える深刻な不安が潜んでいる。

 履歴書作成などでキャリア支援を行うResume.ioが実施した調査では、Z世代の20.2%が「サンデースケアリーズ(日曜恐怖症=サザエさん症候群)」を理由に実際に離職した経験があり、45.9%が離職を検討したことがあると回答。この数字は他の世代を大きく上回る。

 サンデースケアリーズとは、日曜夜に感じる週明けへの不安や恐怖感を指すが、今Z世代を中心に「サザエさん症候群」の先に、さらに新たな“次の悩み”が広がりつつある。

 全労働者の7人に1人が毎週この症状を経験し、11.7%がこれを理由に退職しているというデータもあり、まさに“令和版サザエさん症候群”と呼ぶべき社会現象となっている。 【次ページ】若者を追い詰める“午後3時54分”
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