- 2025/09/29 掲載
独VW、インド事業再編へ 競争激化で市場シェア低迷
[ニューデリー 26日 ロイター] - ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が主要な成長市場であるインドで事業再編を進めている。ロイターが入手した社内メモで分かった。VWはインド市場で投資拡大を望んでいるが激しい競争に直面しているという。
VWはインドで20年以上事業を続けてきたが市場シェアは低迷している。規制当局の資料によると、インド事業は売上高はこの5年間で7億6600万ドルから21億5000万ドルとほぼ3倍に増えたが、利益は8500万ドルから1060万ドルに急減した。また輸入関税逃れでインド当局から14億ドルの追徴課税を請求されている。
VWグループのインド戦略は、2018年以降、傘下のシュコダ・オートが主導してきた。
シュコダ・オート・フォルクスワーゲン・インディアの現地責任者ピユシュ・アローラ氏は9月8日付の従業員向けメモで、外部の専門家を雇いシステムや製造工程の徹底的な見直しを実施し改善提案を受けると述べた。
メモは投資や雇用に関する具体的な変更には言及していない。
アローラ氏は、シュコダがインドと関係が深く新しい技術や製造に投資する予定だが、市場動向の変化や競争圧力の高まりに直面していると述べた。
今回の取り組みが「高業績組織」を目指す旅路の始まりであり、方向修正だと述べた。事情に詳しい2人の関係筋によると、同時に過去数週間で幹部約10人が退任したという。
シュコダは中国でもはや存在感がほとんどなくロシアからも撤退しているだけに重要な局面にあり、欧州以外の主要市場としてインドに対する次の段階の投資計画を確定しなければならない。
2027年からより厳しい燃費規制が導入されるため、自動車メーカーは全て電気自動車(EV)を導入しなければならないが、シュコダとVWは現在インドでEVを販売していない。
事情に詳しい第3の関係筋によると、VWの再編の目的は新規投資を実施するよりも前に組織をスリムで俊敏にし、より機動的なライバル企業と競争できるようになることだという。
にシュコダ・フォルクスワーゲンは、VW傘下の高級車ブランドのアウディ、VW、シュコダ車の一部輸入を誤って分類して高関税を逃れたとの疑いから、インド税務当局と法廷闘争を続けている。
もしVWが敗訴すれば、罰金と利息を含めて28億ドルを支払う必要がある。
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