- 2025/10/14 掲載
国際金融当局、AIの監視強化へ
[ロンドン 10日 ロイター] - 国際的な金融規制当局は、銀行をはじめとする金融機関の間で人工知能(AI)の利用が広がっていることを踏まえ、AIの監視を強化する方針を示した。
20カ国・地域(G20)の金融監督当局で構成する金融安定理事会(FSB)は10日公表した報告書で、あまりにも多くの金融機関が同じAIモデルと特定のハードウエアを利用すれば、群集行動につながりかねないとし「過度な依存は、代替手段が少ない場合に脆弱性を生み出す恐れがある」と指摘した。
また、世界の中央銀行で構成する国際決済銀行(BIS)は別の調査報告書で、中銀、金融規制当局、監督当局がAIへの対応力を一段と高める必要があると主張。
「技術進歩の影響を十分理解した上で監視する機関として、また、技術そのものを利用する機関として、能力を向上させる必要がある」とした。
FSBの報告書は、AIが市場のストレスを増幅させる可能性があるものの、現時点では「AIが引き起こす市場の相関関係が市場の結果に影響を与えている実証的な証拠はほとんどない」と指摘。
また、金融機関には、AI関連のサイバー攻撃や、AIを悪用した詐欺のリスクも高まっているとの認識を示した。
すでに一部の地域は、AIなどデジタル技術のリスクに対応する法整備に着手している。欧州連合(EU)では「デジタル・オペレーショナル・レジリエンス法(DORA)」が1月に施行された。
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