- 2025/10/16 掲載
アングル:関西の電鉄・建設株が急伸、自民と協議入りで「維新トレード」の思惑
[東京 16日 ロイター] - 16日の東京株式市場では、阪急阪神ホールディングスや浅沼組といった関西の電鉄株や建設株が急伸している。日本維新の会が自民党と政策協議を始める伝わったことを手掛かりに、維新の掲げる副首都構想への思惑に基づく「維新トレード」が活発化しているようだ。 阪急阪神HDのほか、近鉄グループホールディングス、南海電気鉄道、京阪ホールディングスといった関西の電鉄株の上昇が目立つ。JR西日本がプラスなのに対し、JR東日本がマイナスなことが象徴的とみられている。
淺沼組のほか、銭高組、南海辰村建設、大末建設、奥村組といった建設株も、関西に地盤のある銘柄を中心に上昇している。
足元の物色傾向を踏まえて岩井コスモ証券の有沢正一投資調査部部長は「維新トレードの様相」と話す。維新と名称が重なるイシンは一時ストップ高をつけた。
副首都構想は、維新の政策の柱のひとつ。大地震などの災害で東京が機能不全に陥った場合に備えて、行政や経済などのバックアップ機能や首都機能の一部を地方に分散させる考えで、市場ではエリアは大阪を想定しているとの思惑がある。
自民党の高市早苗総裁が15日、維新の吉村洋文代表と会談して連立政権入りを含めた協力を打診し、両党首は政策協議を始めることで一致したことで、同構想の実現可能性に関心が向かっている。
こうした銘柄群は「維新との連立に関連して、今後も折に触れて手掛かりになりやすい」と、三菱UFJeスマート証券の山田勉マーケットアナリストはみている。
<高市トレードに投資家は半身>
三菱重工業や助川電気工業、電力株といった高市氏の政策に関連があるとみられる銘柄群の一角もあらためて物色されており、高市トレードも再開の機運が生じている。
もっとも、投資家は半身の構えのようだ。日経平均は4万8000円を3営業日ぶりに回復した後は上値が重くなっている。
為替は円高基調でもあり、金融市場全体が高市トレードの様相になってるわけでもなく、高市トレードを織り込んでつけた史上最高値4万8597円への接近が意識され「4万8000円を超えてくるとためらいもある」(岩井コスモの有沢氏)との声がある。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンド・マネージャーは「予算がついている防衛関連株などとは異なって相当長いテーマでもあり、(維新トレードの)物色が長続きするかはわからない」との見方を示す。 維新は協議の結果を踏まえて20日までに協力するかどうか判断し、自民党に回答する流れとなっており「まずは協力に向けた協議がまとまるかを見極める必要がある」と話している。
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