- 2025/12/03 掲載
アスクル、Web注文を再開。ランサムウェア被害から一部復旧
倉庫管理システム(WMS)は未稼働であり、出荷は手作業で実施
ビジネス+IT
11月以降、出荷拠点や取扱商品の拡大を順次進め、直送品含む一部サービスでは回復の兆しを見せていた。
11月28日、公表された「第11報」で、アスクルは Web サイトでの注文を「12月第1週中」に再開すると発表。
実際に、2025年12月3日午前9時から Web 注文の受け付けを部分的に再開した。対象商品は、箱単位の消耗品約600アイテム、医療・衛生関連の単品商品約500アイテム、および直送商品(直送品)の一部。
ただし、この再開時点では倉庫管理システム(WMS)は未稼働であり、出荷は手作業で行われている。そのため、従来のサービスに比べてお届けまでの日数が長くなる可能性があるとされている。WMSを使った在庫商品の出荷は、12月中旬以降に一部物流センターで順次再開する予定。
アスクルは、Webサイト再開にあたり、外部の専門家と連携し、安全性の確認を行ったうえで発注を再開したと説明。同社は「ご購入可能な商品は順次拡大いたします」と表明しており、引き続き段階的な復旧を進める意向を示している。
一方で、現時点では「注文履歴の閲覧」「お届け日時指定」「定期配送」「カタログ請求」「多くの付帯サービス(引き取り、ポイント、プロモーションなど)」は停止中。また、個人向け EC サービス LOHACO の再開は、ASKUL 本体の本格復旧後になる見込みであり、全面復旧にはなお時間がかかるとの見通しが示されている。
今回のランサムウェア被害では、サイバー攻撃とともに一部情報の流出が確認され、同社は顧客・取引先への通知および関係機関への報告対応を行ってきた。
今後は、倉庫管理システムを含む物流インフラの復旧、安全性確保、取扱商品の拡大が課題となる。アスクルは「安定稼働が確認でき次第、順次対象商品・拠点を拡大」としており、ユーザーにはしばらくの間、配送遅延やサービス制限が継続することが予想される。
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