- 2025/12/07 掲載
中国のAIロボスタートアップ EngineAI、ヒューマノイドロボット「T800」を発表
回し蹴りやボクシングも、成人男性の90%を超える身体性能指標を達成
ビジネス+IT
さらに、360°全方位LiDARによる環境認識、自社開発の多次元センシング付き高機能ハンド、触覚センサー、精密な力制御といった機能を統合し、重作業から精密作業まで幅広く想定されている。電源にはヒューマノイド用に最適化されたソリッドステート電池を搭載し、連続稼働時間は4?5時間。脚部にはアクティブ冷却システムを備え、熱管理と耐久性も重視されている。
また、T800は用途や予算に応じて「base」「ecosystem(open-source)」「sharpened(Pro)」「flagship(Max)」という4種類のバリエーションで提供され、価格は最低で18 万元(約数十万円台、為替変動による)からとのこと。
同社によれば、今回のT800は“汎用ヒューマノイドの産業化”を目指す第一号機。研究開発を担ってきた約150人のエンジニアらが、設計を三度見直すなど開発に注力し、量産体制やサプライチェーンの整備、生産ラインの自動化、品質管理体制も整えられたという。これにより、単なる実験プラットフォームではなく、物流・製造・サービスなど多様な現場への導入を視野に入れた「実用ツール」としての展開が可能となる。
一方で、ある専門メディアでは “圧倒的なハードウェアスペック” を高く評価しつつも、ソフトウェア面――とりわけ「どのように制御・プログラミングされ」「どんなAI/ロジックで動作するのか」についての具体的な説明が公式には十分提示されていない点を指摘。現時点では「華々しいデモ」が中心であり、実用性や汎用性に関しては疑問が残るという見解も示されている。
以上をふまえると、EngineAI T800の発表はヒューマノイドを「技術の展示物」から「産業用道具」へと転換する挑戦と位置づけられる。ただし、実際に現場で使われるには、「ソフトウェア基盤」「制御・操作系」「導入コストとROI」「安全性・信頼性」といった課題のクリアが不可欠であり、今後の展開が注目される。
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