• 2025/12/08 掲載

ネットフリックスがワーナー・ブラザースの制作・配信部門買収 約11兆円で合意、業界の大再編へ

映画・テレビ制作スタジオおよびストリーミングサービス部門を買収、映像業界の“覇権争いが加速

ビジネス+IT

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米動画配信大手ネットフリックスが、米老舗メディア企業ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)傘下の映画・テレビスタジオや配信サービスを買収することで合意した。買収額は約720億ドル(約11兆円)にのぼり、映像業界の“覇権争い”を画する大規模再編となる。
米ネットフリックスは2025年12月5日、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの映画・テレビスタジオおよびストリーミングサービスを買収する契約で基本合意したと発表した。買収金額は720億ドル(約11兆円)で、複数のメディアが報じている。

買収の対象となるのは、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーが抱える映画・テレビ制作スタジオおよびストリーミングサービス部門(例えばHBO Max、スタジオ事業など)であり、ケーブルテレビネットワークなど旧来型の放送事業は含まれない見込み。

今回の買収にあたり、Netflixは複数のライバル(Comcast、Paramount Global など)との競争入札を制した。入札ではネットフリックスが最高額を提示し、提案の多くを現金で構成していたと報じられている。

両社は現在、最終契約締結に向けた独占交渉に入っており、買収完了はワーナー・ブラザース・ディスカバリーの事業分割(スタジオ等とケーブル事業の分離)後、2026年第3四半期ごろが見込まれている。

この買収によって、ネットフリックスは「Harry Potter」やDC Comics作品群、「Game of Thrones」シリーズなど、WBDが保有する強力なIP(知的財産)群と、HBO Maxを含む配信プラットフォーム資産を手に入れることになる。このことは、ネットフリックスのコンテンツ力と国際展開力を大幅に強化する可能性を意味する。

一方で、この統合は映像産業にも大きな波及を与えるとみられる。統合後の体制やコンテンツ戦略のあり方に関し、欧米の独禁法当局の審査が焦点となる見込み。また、競合他社、映画館経営者、制作スタッフらの間では、ストリーミング重視が進むことで劇場公開作品の減少や雇用・クリエイティブ環境への影響を懸念する声も出ている。

今回の買収は、ストリーミング時代におけるメディアの再編を象徴する案件であり、ネットフリックスのビジネスモデル、ハリウッドの制作・配信のあり方、市場競争の構造を一変させる可能性がある。

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