- 2025/12/11 掲載
KDDI系ファンド「KOIF」が米ディープフェイク検知技術の「Resemble AI」に出資
生成AI活用で不正検知技術の強化を支援
ビジネス+IT
KOIFは、スタートアップ企業との事業共創を目的とするCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)であり、KDDIとグローバル・ブレインが共同で設立した複数のファンドを通じて投資を行っている。特に**KOIF V(第5号)**は2025年4月に立ち上げられ、AIやDeep Tech領域に重点を置いた投資活動を展開している。運用総額は50億円規模であり、国内外の有望なスタートアップ企業への出資を進めている。
Resemble AIは、生成AIによって作成された音声や映像、画像データのディープフェイクを検知する技術を開発する企業であり、同社の検知プラットフォームは企業のセキュリティ対策の一環として利用されている。Resemble AI自身が2025年12月に約1,300万ドル(約数億円)の資金調達を発表しており(出資者としてSony Innovation FundやOkta Venturesなど複数の投資家が参加)、同社の技術は多言語対応や幅広いメディア形式のディープフェイク検出に取り組んでいると報じられている。
Resemble AIの技術には、音声や映像、静止画など生成されたコンテンツをAIで識別・検出する機能が含まれており、企業インフラ内で展開可能な検出APIやモデルが提供されている。こうした検知技術は、ソーシャルエンジニアリング攻撃やなりすまし、フィッシング詐欺など進化するサイバー脅威への対策として注目されている。
KDDI側は、本出資により、生成AIを活用した不正検知やフェイク対策技術の高度化を支援するとともに、国内外のデジタル社会におけるAIセキュリティ領域でのプレゼンス向上を狙う。また、KOIFを通じた投資先との共創を通じて、KDDIの事業領域における新たなソリューションの開発や、安全なサービス提供基盤の構築を進める方針を示している。
KOIFはこれまでにもAI関連を含む多数のスタートアップへの出資実績を持ち、日本発スタートアップのグローバル展開支援や技術共創を進める役割を担っている。今回のResemble AIへの出資は、生成AI時代におけるフェイクコンテンツ対策という社会的課題への対応を強化する一環として位置付けられる。
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