• 2026/03/19 掲載

英中銀、全会一致で金利据え置き 紛争によるインフレリスク留意

ロイター

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William Schomberg David Milliken

[ロンドン 19日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は19日、政策金利の3.75%への据え置きを全会一致でした。中東紛争によるインフレリスクを前に一部の委員は利上げの可能性に言及した。

金融政策委員会(MPC)は9対0で据え置きを決定。ロイターが実施したエコノミスト調査では、7対2での据え置きを予想していた。

MPCは声明で、中銀スタッフ予測では今後2四半期でインフレ率が最大3.5%まで上昇する可能性があるとし、インフレ期待の高まりが経済に定着するリスクにも警戒を表明。さらに、景気減速によってインフレ圧力が弱まる可能性に触れつつ、インフレ高止まりのリスクのほうが大きいとの見解を示した。

ベイリー総裁は、すでにガソリン価格が上昇しており、紛争が長引けば今年後半には家庭向けエネルギー料金も上がると指摘。「事態の推移を見極めるなか政策金利を据え置いた。何が起きようとも我々の責務はインフレ率を2%の目標水準に戻すことだ」と述べた。

決定の発表直後、英ポンドは対ドルと対ユーロで一時的に急騰、市場では今年中に英中銀が2回の0.25ポイント利上げを行うとの見方が広がった。

投資会社アバディーンのエコノミスト、ルーク・バーソロミュー氏は「注目すべきは委員全員が据え置きを支持したことだ。これは、よりハト派的な委員でさえ、再利下げに踏み切る前にこの紛争の行方を見極めたいと考えていることを示している」と指摘。「利上げへの回帰に向けたハードルは極めて高いが、次の利下げまでに時間がかかる可能性がある」と語った。

<MPC内に意見の相違>

政策委員からは利上げの必要性についてより踏み込んだ発言もでた。利上げの可能性は紛争によりすでに市場にも織り込まれている。

マン委員は、インフレが高止まりするのを防ぐため、長期間の据え置きや「いずれかの時点での利上げ」を検討すべきだと指摘。

直近の利下げに反対票を投じていたチーフエコノミストでもあるピル委員は、エネルギー価格のショックが長期的なインフレ圧力のリスクを高めた場合、「行動する用意がある」と語った。

これまで利下げを強く主張してきたテイラー委員は、今回の据え置きを転換点と見なすべきではないとし、「エネルギー価格をめぐる不確実性が極めて大きい中、現時点では利上げに踏み切るハードルは高いと考えている」と述べた。

MPCは、4月下旬に予定される次回会合までにより多くの情報が得られ、状況を的確に判断できる可能性を示した。その上で「さまざまな展開やリスクへの金融政策の対応について幅広い可能性がある」と言明した。

国内の根強い物価上昇圧力への懸念から、イングランド銀は2024年以降、欧州中央銀行(ECB)よりも緩やかなペースで利下げを進めた。国内インフレ率の目標とする2%までの低下が視野に入るなか、石油・天然ガス価格の急騰が再びインフレを押し上げる可能性がでている。最近のエネルギー価格を基にしたアナリスト予測では4ー5%に達する可能性もある。ただロシアによるウクライナ侵攻を受けたエネルギー価格急騰による22年のピーク時(11.1%)は大きく下回る水準だ。

市場は先月時点で年内2回の利下げ実施を見込んでいた。しかし19日にカタールのエネルギーインフラへの一段の攻撃が伝わると、年内の利上げが完全に織り込まれ、2回目の利上げの可能性まで視野に入れ始めている。多くのエコノミストは、脆弱な国内経済の状況を踏まえれば、利下げから利上げへの転換よりも数カ月間の利下げ停止の方が現実的と見ている。

<景気低迷下でのインフレリスク>

19日発表された11─1月の賃金上昇率は20年以来の低水準となった。

イングランド銀は、国内経済成長が極めて緩やかな時期に中東紛争が発生したことに言及。

一方でインフレ圧力への警戒を緩めていない姿勢も示し、地域からの最新調査を引用し、26年の賃金妥結水準は同行の予測を0.2ポイント上回る3.6%となる可能性を指摘した。

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