- 2025/12/11 掲載
NTTデータ、シリコンバレーにAI特化の新会社を設立
最先端技術の獲得とグローバルAI戦略の強化
ビジネス+IT
新会社の位置付けについて、NTTデータグループ代表取締役社長の佐々木裕氏は、グローバル水準のAIテクノロジーを顧客に届けるための「中核機能」として位置付けたいと発言している。これは、シリコンバレーが世界の先端AI企業やスタートアップが集積する地域であるという戦略的意義に基づくものであり、現地の技術動向やAI利活用の先進事例をリアルタイムで把握し、それをグループ全体のAI戦略に反映させる狙いも含まれている。
具体的には、新会社は先端AI技術の探索やAIソリューションの創出、顧客企業の経営課題解決へのAI適用支援を担うとされている。シリコンバレーのAIベンダーやスタートアップ企業との連携やアライアンス強化を重視し、共同開発や事業共創の機会を模索することも重要な役割となるという。
NTTデータグループはこうした海外拠点の設立を通じて、単に技術を輸入するだけでなく、AIの最新トレンドを捉えた上で国内外の顧客への価値創出につなげる「アンテナ」としての役割を期待している。これによりグローバル市場での競争力を強化するとともに、AIを活用したソリューション提供のスピードと質を高めることが目的とされている。
また、NTTデータグループでは既にAI関連のグローバルパートナーシップを推進しており、2025年8月にはGoogle Cloudとの戦略的協業を発表。業界特化型のエージェントAI導入やクラウドモダナイゼーション強化などを共同で進める計画が示されている。これらの取り組みと新会社設立は、グローバルレベルでのAIおよびクラウド事業の競争力向上に向けた戦略の一環と位置付けられる。
さらに、NTTデータはOpenAIとの戦略的業務提携も開始しており、これによって国内外のAIソリューション事業の拡大を狙いとしている。新会社設立は、こうしたグローバルAI戦略を加速するための重要な布石として機能するとみられる。
新会社設立により、シリコンバレーの先端AI技術を捉えたNTTデータグループ全体のAI活用ノウハウの蓄積・共有が進むと同時に、顧客の多様なデジタルトランスフォーメーション(DX)ニーズに応えるソリューション開発の基盤が強化される見込みである。グローバルAI事業競争が激化する中で、NTTデータグループは海外現地からの技術・事業創出を通じて競争優位性を高める戦略を推進している。
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