• 2025/12/30 掲載

輸入米活用、パッケージ簡略化=独自商品で「お得感」―小売り各社

時事通信社

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物価高で消費者の節約傾向が続く中、小売り各社が低価格を売りにした自社商品や、メーカー品より割安な独自のプライベートブランド(PB)の開発でしのぎを削っている。原材料価格や人件費の上昇を背景に、価格面で差別化のハードルは高くなる一方。各社は輸入米など割安な原料の活用やパッケージの工夫で価格を抑え、「お得感」の維持に知恵を絞っている。

ローソンは、米国産のカルローズ米を1割混ぜた恵方巻き「カルローズ・ハッピー巻」を来年2月に首都圏で販売する。価格は430円とし、国産米だけを使用する最安の「サラダ恵方巻」よりも60円引き下げたところ、予約客の反応は上々という。材料費を抑えたトッピングなしのクリスマスケーキも好評で、予約数は昨年対比で1.8倍を記録した。「来年もリーズナブルに提供するため、あの手この手を尽くす」(竹増貞信社長)考えだ。

ファミリーマートは、サラダやパスタなど小容量の総菜を拡充。20種類以上をそろえ、価格はいずれも200~300円台前半に抑えた結果、7月末時点で累計販売2億3000万食を突破した。

PBの開発競争も激化している。ディスカウント店「ドン・キホーテ」はPB「情熱価格」の甘栗やアーモンドなどの包装の商品説明を手書きに、写真もイラストに変更し、デザイン費を削減。缶ビールもモノクロ印刷でインク代を節約し、330ミリリットル入りで164円の低価格を実現した。

イオンは4月と10月にPB「トップバリュ」の食品や日用品を値下げ。コメ価格の高止まりを意識し、新たに340グラム以上の大盛り冷凍パスタを200円以下で投入した。セブン&アイ・ホールディングスのPB「セブンプレミアム」は複数個入りのパンが支持を集めており、割安感を実感できる商品は必須だ。

調査会社のインテージによると、スーパーやコンビニなどでの購入額に占めるPBのシェアは、今年1~11月の平均で15.3%と前年同期比0.4ポイント上昇した。担当者は「節約の手段としてPBが選ばれている」と分析している。

【時事通信社】 〔写真説明〕米国産米を使用したローソンの恵方巻き「カルローズ・ハッピー巻」(同社提供) 〔写真説明〕「ドン・キホーテ」の缶ビール(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス提供) 〔写真説明〕「ドン・キホーテ」で販売する手書きパッケージの甘栗(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス提供)

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