- 2026/01/27 掲載
焦点:米企業、トランプ関税で利益率悪化 消費者は値上げに難色
[26日 ロイター] - 米企業の多くは投資家に関税は「対処可能だ」と説明し、安心感を与えようとしている。しかし今回の決算シーズン序盤に各社が公表したコメントから、消費者が値上げに難色を示す中で、米企業が利益率の悪化に見舞われている様子がうかがえる。
こうした苦境は既にプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や産業資材のファスナル、スリーエム(3M)などの主要企業で顕在化している。
アマゾンのアンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)は、スイスで開かれた世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)の会期中にCNBCに対し、出品者が関税に先回りする形で仕入れた在庫を使い切ったため、アマゾンの電子商取引(EC)プラットフォーム上で値上がりが見られると語った。
個人消費は全体として堅調さを保っているものの、買い手は慎重で、特に中・低所得層は値ごろ感のある商品を選ぶ傾向が強い。
アネックス・ウェルス・マネジメントのチーフ経済ストラテジスト、ブライアン・ジェイコブセン氏は「消費者の一部はそれほど価格に敏感ではないが、多くは今の物価水準に依然として不満を持っており、さらなる値上げには否定的だ」と述べた。
<値上げは慎重>
25日からの週にはS&P総合500種構成企業100社余りが決算を発表する予定で、ゼネラル・モーターズ(GM)、キャタピラー、コルゲート・パルモリーブ、キンバリークラークなど世界で事業展開する米企業も含まれる。
タルシー・アドバイザリー・グループのメモによると、農機・園芸用品販売のトラクター・サプライは関税に関連する値上げが今年表面化する見込み。同社は29日に決算を発表するが、経営陣は過去1年間に消費者が「価値のある買い物」を重視しているため、値上げは「外科手術のように慎重に」行うとしている。
ジーンズのリーバイ・ストラウスは28日に年末商戦期の決算を発表する。同社は昨年10月に、関税による利益率の低下幅予想を従来の0.5%から0.7%に修正した。
ハーバード大学のアルベルト・カヴァッロ教授らは、米国内の主要ECおよび実店舗でカーペットからコーヒーに至る約36万品目の価格を追跡調査した。それによると、昨年末時点で国産品の価格は関税導入前と比べて約4.3%ポイント高く、輸入品は約5.8%ポイント高くなっていた。
スパイスメーカーのマコーミックのような企業は、関税コストが昨年第4・四半期に想定以上に増加したことを受け、値上げに踏み切った。ブレンダン・フォーリーCEOは「当社製品にかかる追加関税は約50%が依然として残っており、その影響によるインフレ圧力に直面し続けている」と述べた。同社の粗利益率は前年同期比で約130ベーシスポイント(bp)悪化した。
P&Gは、最大市場である米国で関税や販売不振の悪影響を相殺するため、一部商品の価格を2-2.5%引き上げたが、先週、5四半期連続で利益率が低下したことを明らかにした。
<消費者の反応次第>
産業資材販売のファスナルも、関税によって価格が上昇し、需要が冷え込んだと説明している。マックス・タニクリフ最高税務責任者(CFO)は、今年は「さらなる値上げを目指す」としながらも、仕入れコストや顧客の反応次第だと語った。
イェール大学のバジェット・ラボによると、昨年11月中旬時点で、商品代替の影響を加味した米消費者の実効関税負担率は14.4%で、過去85年で最高となった。
現在の関税制度は、米連邦最高裁がトランプ大統領によるIEEPA(国際緊急経済権限法)を用いた既存関税の適用を違法と判断した場合、中断される可能性がある。そうなれば、トランプ政権の緊急権限のもとで関税を支払った企業に大規模な還付が行われる可能性もある。
ただし、還付のプロセスには数年かかる恐れもあり、その間にホワイトハウスは他の権限を用いて輸入関税を維持する方針だ。
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