- 2026/03/07 掲載
米FRB、雇用と物価の板挟み 労働市場悪化と原油高「二重のリスク」
[6日 ロイター] - 中東情勢の緊迫化を背景に原油価格が急上昇する中、米労働省が6日に発表した2月の雇用統計で労働市場の悪化が示されたことで、景気の停滞と物価の上昇が同時に発生する「スタグフレーション」懸念が再燃し、米連邦準備理事会(FRB)は物価安定と雇用安定のどちらを優先すべきか難しい舵取りを迫られる可能性がある。
2月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は9万2000人減少。1月の12万6000人増から反転し、予想にも反してマイナスとなったほか、失業率は4.4%と、1月の4.3%から悪化した。
米国とイスラエルが2月28日にイランに対する軍事攻撃を開始し、中東で武力攻撃の応酬が続く中、原油価格は1バレル=90ドルに迫っており、米国内のガソリン価格上昇につながっている。
中東の軍事攻撃の応酬と、それに起因する商品(コモディティー)価格の上昇に加え、国内の雇用が弱体化していることで、FRBがいったんは克服したと考えていたスタグフレーションへの懸念が再び台頭。FRBは今月17─18日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決定するとの見方が現時点では大勢だが、先行き不透明感が高まり、リスクが顕在化する中、討議内容は広範にわたるとの見方が出ている。
2月の雇用統計を受け市場では6月の利下げ観測が高まったものの、インフレ圧力と景気減速という新たなリスクが同時に高まる中、FRBがどちらをより問題視するかによって今後の金融政策の方向性が変わる可能性がある。
ウォラーFRB理事はこの日、ブルームバーグテレビのインタビューで、中東情勢の緊迫化を受けたガソリン価格の上昇は米国の消費者に対する衝撃になる可能性があるものの、原油価格の世界的な高騰が持続的なインフレにつながったり、FRBが金融政策の変更を迫られたりする可能性は低いとの考えを表明。サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は、低調な雇用統計で労働市場を巡る懸念が浮き彫りになったとしながらも、インフレの高止まりや中東緊迫化に伴う原油価格高騰がもたらす「両面のリスク」を考慮すると、FRBが直ちに利下げすることを正当化するわけではないと述べた。
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