- 2020/07/27 掲載
米失業保険申請、約4カ月ぶり増加 コロナ再拡大で
市場予想は130万件だった。18日までの1週間は7月の米雇用統計の調査対象期間に含まれる。失業保険申請件数は3月下旬に過去最悪となる686万7000件に達した後、徐々に減少していた。
11日までの1週間の失業保険受給総数は1619万7000件と、前週の1730万4000件から減少。4日までの1週間で何らかの失業手当を受けていた人は3180万人と、前週から約20万人減ったものの、依然として高止まりが続いている。
MUFG(ニューヨーク)のチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「労働市場には緩やかでまだら模様の回復の兆しが全く見られない」と指摘。失業者が約3200万人もいる状況で経済活動が長期的に継続していくのは不可能で、追加の経済対策が必要であることは明白だと述べた。
こうした中、専門家からは季節調整が統計のかく乱要因になった可能性が指摘されている。この時期は例年、自動車工場が設備入れ替えのため閉鎖されるが、今年は各社ともコロナによる営業自粛期間に入れ替え作業を済ませている。このため足元の変動が季節調整によって逆に取り除かれてしまうという。季節調整前の新規失業保険申請件数14万1816件減の137万件だった。
アクション・エコノミクス(コロラド州)のチーフエコノミスト、マイク・イングランド氏は「失業保険申請は減速しているが、変則的な動きによって統計にゆがみが生じている可能性が高い」と述べた。
新型コロナ感染者は南部や西部の州を中心に再び拡大しており、地域によって店舗の閉鎖や経済活動再開の停止に追い込まれている。労働者には再びレイオフ(一時帰休)が通告され、消費需要の減退に伴うレイオフも増えている。業種別では小売業の倒産が目立っている。
ハイ・フリークエンシー・エコノミクス(ニューヨーク)の米国担当チーフエコノミスト、ルベラ・ファロキ氏は「経済活動の再閉鎖に伴い一時的な雇用喪失が長期化する恐れがあり、経済の回復ペースはさらに鈍りかねない」と述べた。
6月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月から480万人増加し、1939年の統計開始以降で最多となった。7月は雇用の伸びが鈍化すると予想されている。
*内容を追加しました。
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