- 2020/11/25 掲載
需要回復に逆風=GoTo除外の拡大懸念―旅行業界
新型コロナウイルスの感染拡大で、旅行業界への逆風が再び強まり始めた。札幌市と大阪市が政府の観光支援策「Go To トラベル」の割引対象からの一時除外が決まった。東京都など感染状況が予断を許さない地域は他にもあり、対象が広がる恐れもある。旅行業界は回復途上にあった国内観光需要の腰折れに懸念を強めている。
日本人旅行者の延べ宿泊者数は、緊急事態宣言下の5月は前年同月比81.6%減まで落ち込んだが、その後は緩やかに回復。9月は37.4%減、都発着の旅行が「GoTo」の対象に追加された10月以降はさらに持ち直し、前年を上回る予約を獲得した宿泊事業者が出てきた。それだけに感染再拡大への不安は強い。
今回、予約済みを含め割引から一時除外されるのは札幌、大阪の2市だが、影響は小さくない。もともと旅行客が多い都市であることに加え、「札幌や大阪を拠点に旅行する人も多く、周辺の観光地にも影響が及ぶ」(大手旅行会社)とみられているためだ。
別の業界関係者は「(一時除外で)旅行意欲が冷え込み、他地域でも旅行を控える動きが出かねない」と警戒している。
当面の焦点は除外地域が拡大するかどうかだ。都内のホテル事業者は「10月からの東京追加でようやく予約が回復してきたのに、また以前の厳しい状況に戻ってしまうのか」と不安を口にした。
【時事通信社】 〔写真説明〕札幌市の名所、時計台の前を歩く観光客=24日午後、同市中央区
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