- 2020/12/01 掲載
労組から「浮世離れ」の声=賃上げ交渉難航必至―連合2%方針
連合は1日、2021年春闘で「2%程度」のベースアップ(ベア)を要求する闘争方針を正式決定した。ベアの要求水準は前年と同じだが、新型コロナウイルス禍で業績が急激に悪化し、人員削減に踏み切る企業が相次ぐ。賃上げ交渉は難航が必至で、雇用維持に苦悩する労組の現場からは連合方針に「浮世離れした要求だ」(大手メーカー労組幹部)との声すら漏れる。
コロナで国際線の旅客需要が蒸発した航空業界では、全日本空輸が今冬の一時金をゼロにすることで労組と妥結。旅行業界でも、JTBが21年度のグループ人員を19年度比で6500人減らす方針を打ち出している。
神津里季生連合会長は1日の会議で「雇用を守る取り組みと賃上げは決して二者択一を迫られるべきものではない」と訴えたが、運輸大手の労組関係者は「雇用維持に強い危機感がある」と明かす。
連合傘下労組のある幹部は「今年に限れば賃上げは難しい」と指摘。例年通り賃上げは求めるものの、組合員のテレワーク用機器の購入支援といった補助制度拡充などを重点的に交渉する考えという。連合の方針は傘下の労組に十分浸透しているとは言い難いようだ。
【時事通信社】 〔写真説明〕中央委員会であいさつする連合の神津里季生会長=1日午前、千葉県浦安市(連合提供)
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