- 2021/01/04 掲載
オリンパス、呼吸器インターベンションの医療機器メーカー米VMT社の買収を完了
*1 気管支鏡を使った治療・診断
肺がんは、がんの中でも罹患率・死亡率ともに世界1位(*2)の疾患です。昨今では低線量CT検査(*3)の普及・拡大により、肺野部(気管支末梢領域)の病変が発見されることが増えてきています。これに伴い、病変部の組織や細胞を採取し確定診断を行うため、気管支鏡検査が行われる機会が増えてくると予想されます。
*2 WHOがん統計データ: https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/cancer
*3 診断が可能な最低限の線量で行う低侵襲なCT検査(通常のCT検査の約1/10の被ばく線量)
VMT社が持つ電磁ナビゲーションシステムは、細く枝分かれした気管支末梢部への気管支鏡や処置具の挿入を支援するシステムであり、気管支末梢部にある病変の位置の特定や、病変部の細胞採取をサポートします。気管支鏡およびラジアルEBUS(気管支内超音波)などの当社の既存の呼吸器科向け製品と組み合わせて使用することで、病変部へのスムーズなアクセスや、肺がんの確定診断における更なる貢献が期待できます。
本買収により、当社の呼吸器事業の製品ラインアップが強化されるだけでなく、VMT社の経験豊富なセールススタッフにより北米における販売体制が大幅に強化されます。呼吸器科市場における当社の競争力を向上させることで、呼吸器疾患の早期診断・低侵襲治療により一層貢献してまいります。
当社グローバル呼吸器ビジネスユニットのバイス・プレジデント兼ゼネラルマネジャーであるリン・レイ(Lynn Ray)は、「オリンパスの早期診断・低侵襲治療技術に関する専門性や経験と、肺がん診断において効果的なソリューションを提案するVMT社のイノベーションを組み合わせることで生み出されるシナジーに大きな期待をしています。今後はこのシナジーを生かし、肺がんの早期診断と病期診断の進歩に貢献していきたいと思います。オリンパスは、がんの早期発見・低侵襲治療に役立つ技術や製品の開発に取り組んでおり、2014年にはEBUS-TBNA(超音波気管支鏡ガイド下針生検)(*4)という手技を医師と共同で実用化しました。これにより、低侵襲で高い診断能をもつリンパ節転移診断法の実現に貢献しました。今回の買収も、このような大きな転機につながる第一歩であることを確信しています。」と述べています。
*4 気管・気管支経由で超音波画像ガイド下にリンパ節の細胞・組織を吸引採取する手法。がん細胞が気管・気管支周囲リンパ節のどこまで転移しているかを確認することで、治療方法の決定をサポートします。
関連コンテンツ
PR
PR
PR