- 2021/01/10 掲載
電機大手、ジョブ型雇用拡大=人事制度も国際化
欧米で主流の「ジョブ型」人事制度が大手電機・精密機器メーカーで広がってきた。職務(ジョブ)の内容を明確化し、能力重視で人材を起用する仕組みで、事業活動のグローバル化を受けて国内外の制度を統一する必要に迫られているためだ。労働人口が今後減少する中、国籍や年齢に関係なく優秀な人材の登用を目指す。
日立製作所は2021年4月から在宅勤務を働き方の標準にするのと同時に、管理職で先行導入してきたジョブ型を一般社員に拡大する。以前からジョブ型への移行を進めていたが、新型コロナウイルスの感染予防でテレワークを増やし、社員一人ひとりの勤務状況が見えにくくなったことなどで対応を加速させた。ジョブ型で職務や役割を明確化する。
幹部社員に導入した富士通も一般社員への適用拡大を目指している。専門性や能力を発揮しやすいジョブ型が広がれば、社内ポストへの公募による人材登用も進めやすい。時田隆仁社長は「人材の流動性が高まる」とみる。
オリンパスでは管理職にジョブ型を導入後に登用年齢が若返り、外国人の起用も進んだ。大月重人執行役員は「実力ベースの人材活用が進んだ」と分析している。
適用対象は新入社員にまで広がる。日立やNECは、デジタル分野などで高度な専門知識を持つ人材を獲得するため、21年度新卒採用の一部でジョブ型を導入した。
自らスキルを身に付け、即戦力としての働きが期待されるジョブ型は、日本企業に多い新卒を一括採用して社内で育てる「メンバーシップ型」とは異なる。なじめない社員が出ることも予想され、円滑な導入には日本型とジョブ型をうまく組み合わせる工夫が必要になる。
【時事通信社】
関連コンテンツ
PR
PR
PR