- 2021/01/14 掲載
LSEによる270億ドルのリフィニティブ買収、欧州委が承認
コンピューターによる取引の出現により金融情報市場は爆発的に拡大した。各社が、顧客にあらゆるサービスを提供し、従来のサービスを提供する他社との差別化を図ろうとする中、合併・買収(M&A)が相次いだ。データは「新しい石油」と呼ばれた。
27カ国から成るEUの競争政策を監督する欧州委員会は、調査の結果、今回の取引についていくつかの懸念事項が見つかったが、ミラノ証券取引所を運営するLSE傘下のイタリア取引所の売却を含む「改善措置」によって対処されると述べた。
LSEとリフィニティブを合わせた規模は依然としてブルームバーグより小さいが、昨年440億ドルの提携を発表したS&PとIHSマークイットの規模は上回る。
欧州の取引所大手ユーロネクストは、リフィニティブの買収が承認を得ることを条件に、43億ユーロ(52億ドル)でイタリア取引所を買収することに合意している。
EU当局は、LSE傘下のMTSとリフィニティブのトレードウェブがともに債券電子取引システムとして大きなシェアを握っていることを問題視していた。LSEによるユーロネクストへの売却には、MTSの売却も伴う。欧州委は、これにより重複する部分が「完全に解消される」と述べた。
LSEはまた、金利デリバティブの店頭(OTC)取引のLCHスワップクリアによる決済サービスをオープンアクセスで提供し続けることに合意した。さらに、既存および将来の全ての競合他社に、LSEの取引所データとFTSE英国株式指数、WM/R外為ベンチマークへのアクセスを提供する。金利デリバティブのOTC取引と金融データの提供期間は10年。
欧州委は「LSEグループの対応は、当初の提案で提起された競争上の懸念に完全に対処している」と指摘。「したがって欧州委は、コミットメントによって修正された本件取引は、もはや競争上の懸念を生じさせないと結論付けた」と述べた。
PR
PR
PR