- 2021/03/03 掲載
NY外為市場=ドル下落、リスク選好度が改善
終盤のニューヨーク外為市場では、リスク選好度が改善する中、ドルが下落したほかオーストラリアドルなどのリスク通貨が上昇した。
先週の米国債利回り急上昇を受け、米株のボラティリティーは高まったが、ドルには追い風となっていた。米債利回りは今週に入って落ち着いている。
アクション・エコノミクスのグローバル通貨分析担当マネジングディレクター、ロナルド・シンプソン氏はリポートで、米株市場では急上昇した前日の流れが維持され、米国時間を通してドル軟化につながったと指摘した。
ドル指数は一時3週間ぶり高値となる91.396に上昇後、0.31%安の90.731に戻した。
ユーロは0.36%高の1.2092ドル。
CIBCキャピタル・マーケッツの北米為替戦略責任者、ビパン・ライ氏は「ボラティリティーがあればリスクを回避したいと考えるのが自然だが、この場合は基本的に既存ポジションの解消を意味し、現時点ではドルのショートポジションが非常に高まっている」と述べた。
米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組(2月23日までの週)に基づくロイターの集計によると、ドルの主要6通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル)に対する売り越し額は、293億3000万ドルと、前週の290億9000万ドルから増加した。
オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は2日、市場の予想通り、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の0.10%に据え置くことを決定。豪ドルは終盤の取引で0.77%高の0.7831米ドル。先週に付けた3年ぶり高値の0.8007米ドルは下回っている。
コメルツバンクのテクニカルアナリスト、カレン・ジョーンズ氏はリポートで、豪ドルなどのリスク通貨が直近高値から反転しているようだとし、短期的には米ドルにとってプラスになる可能性が高いと指摘。「米ドルの弱気トレンドはおそらく終わった」との見方を示した。
一方、スイスフランや円などの安全資産とされる通貨は序盤の下落から反転し、終盤は小幅高。スイスフランは一時1ドル=0.9193フランと昨年11月以来の安値、円は106.95円と昨年8月以来の安値を付けた。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは、バイデン米大統領が米証券取引委員会(SEC)委員長に指名したゲーリー・ゲンスラー氏が投資家保護に関する懸念を示したことを受け、この日の安値に下落。終盤は約4%安の4万7609ドルとなった。
*内容を追加しました
ドル/円 NY終値 106.67/106.70
始値 106.90
高値 106.94
安値 106.68
ユーロ/ドル NY終値 1.2089/1.2093
始値 1.2029
高値 1.2094
安値 1.2021
(表はリフィニティブデータに基づいています)
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