- 2021/03/25 掲載
商用車、電動化加速へ=物流効率化も視野―トヨタ・いすゞ
トヨタ自動車といすゞ自動車が再び資本提携を決めた。世界的に脱炭素の流れが強まる中、ライバル同士が手を結び、遅れが指摘される商用車の電動化を加速する。また、ビッグデータなど先端技術を活用して物流業界の業務効率化を後押しし、ビジネス機会を広げる狙いもある。
いすゞとトヨタ子会社の日野自動車は、ともに2022年度に小型トラックの電気自動車(EV)を投入する計画だ。しかし、「電動化は乗用車に比べて遅れている」(片山正則いすゞ社長)のが現状。大量の荷物を積み、長距離を走るトラックにとって、EVは航続距離の短さ、燃料電池車(FCV)では水素ステーションの少なさが乗用車以上に普及のネックとなっている。
政府は今夏までに商用車の電動化目標を定める予定。「(35年以降の販売が電動車に限られる)乗用車とほぼ同じになる」(商用車大手)とみられ、商用車の電動化は喫緊の課題だ。
ただ、売上高が2兆円規模にとどまるいすゞにとって、自社の限られた資金や人員で急速な電動化に対応するのは難しい。独ダイムラーなどトラック世界大手との競争もにらみ、トヨタとの再連携にかじを切った格好だ。
顧客である物流業界が直面する人手不足などの課題解決も提携の柱の一つ。渋滞情報をはじめ交通状況などのビッグデータを駆使すれば効率的な運行が可能になり、ドライバーの長時間労働が改善される。いすゞなどは「車づくり」だけでなく、販売後の顧客サービスで稼ぐシナリオを描く。
【時事通信社】
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