- 2021/04/27 掲載
英HSBC、第1四半期は税引き前利益79%増 見通し改善
[ロンドン 27日 ロイター] - 英金融大手HSBCホールディングスが27日発表した第1・四半期(1─3月)決算は、税引き前利益が79%増加し、アナリストの予想を大きく上回った。
経済見通しが改善し、新型コロナウイルス危機を受けて計上した貸倒引当金を取り崩した。
ただスティーブンソン最高財務責任者(CFO)は、世界経済の回復を巡る不透明感に警戒感を示し、昨年積み上げた引当金の約70%を維持していると述べた。今後の取り崩しは未定だという。
第1・四半期の税引き前利益は57億8000万ドル。前年同期は32億1000万ドル、HSBCが集計したアナリストの平均予想は33億5000万ドルだった。
貸倒引当金を4億ドルを戻し入れた。「英国を中心とする経済見通しの改善を反映した」という。
HSBCは今年の貸し倒れ損失が2月に示した中期レンジを下回るとの見通しを示した。
クイン最高経営責任者(CEO)はロイターに、英米でのワクチン接種進行を主要因に挙げた上で、「2月よりも楽観的だ。われわれが業務展開している国は今年、GDPが拡大するとみている」と述べた
HSBCの業績は世界の金利と密接に関連し、第1・四半期の収入は前年同期比5%減少。主要市場における低金利で融資による収益が抑制された。最も収益力の高い香港市場の銀行間取引金利(HIBOR)は四半期の大部分で約10年ぶりの低水準となっていた。
HSBCは2月、主にアジアのウェルスマネジメントに注力するための戦略見直しを表明。資金利ザヤよりも顧客手数料で収入増を目指す。
仏リテール事業の売却については、交渉を続けているが最終決定は下していないと説明した。ロイターは先月、プライベートエクイティ(PE)サーベラスとの協議が最終段階と伝えた。
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