- 2021/05/28 掲載
アクセンチュアと京大、社会課題の解決に向けたAI活用で協業
京大SICは、「水・エネルギー・防災」、「ブロックチェーン」、「有人宇宙学」、「ウェルビーイング(主観的幸福)」の4領域で先進研究を推進しています。SDGsやESG経営(環境:Environment、社会:Social、ガバナンス:Governance)への取り組みが企業価値向上に重要な指標となる中、これらの領域での研究成果を社会課題の解決へとつなげるため、世界最高峰のAI導入実績や知見をもつアクセンチュアと協業します。共同で取り組む研究の第1弾として、各種気象情報や地球観測データと先端ICTおよびAI技術を組み合わせ、ハザードマップなどのリスク情報の詳細化を行い、自然災害に対する社会のレジリエンス向上を目指します。また、大規模停電や人工衛星損壊など、航空・宇宙開発において最大200兆円規模1)の損失を引き起こす恐れがあると言われている太陽面爆発現象や宇宙放射線について、ビジネス被害の軽減に資する新たな仕組みの構築に取り組みます。さらに、SDGsで掲げられている17の目標のうち、「3. すべての人に健康と福祉を」に寄与する労働者や高齢者のウェルビーイング向上や、「13. 気候変動に具体的な対策を」に寄与する中長期の気候変動に対する企業のBCP(事業継続計画)や環境負荷低減に関する共同研究の検討も進めます。
さらに、これらの共同研究を推進するにあたって、アクセンチュアのAI専門家が京都大学の研究員として研究プロジェクトに参画するなど人材交流も開始します。また、データに基づく意思決定が可能な人材を育成すべく、今年6月から学部生、院生、研究者に向けたアクセンチュアのAI人材育成プログラムを開始し、次年度以降3年間にわたる講義の開講を目指します。
アクセンチュア株式会社 ビジネスコンサルティング本部 AIグループ日本統括 AIセンター長 マネジング・ディレクターで博士(理学)の保科 学世は次のように述べています。「近年多発する大規模自然災害や新型コロナウイルスによって社会構造は大きく変化し、課題も浮き彫りになりました。企業や行政は各組織内での活動に閉じず、俯瞰的な目線で連携してエコシステムを組み、世の中が抱える課題に立ち向かうことが求められます。私たちは京大SICとアクセンチュア両者の知見を融合し、AIを活用した社会課題解決に真摯に取り組んでいきます」
京都大学 総合生存学館ソーシャルイノベーションセンター センター長で教授の積山 薫は、次のように述べています。「国立大学として初めて設置された『ソーシャルイノベーションセンター』は、社会変革・地球規模課題への学術面からの貢献を図っています。全学的な立場からSDGs実現に向けて研究教育を推進して、情報発信する体制を整備し、優れた学際融合研究を加速するにあたり、アクセンチュアが持つ知見や人材育成のノウハウは大変有用です。今回の協業を通して、SICの民間企業、社会と連携したイノベーション を目指す取り組みを更に進めていきます」
1) 以下の文献より引用 "Severe Space Weather Events: Understanding Societal and Economic Impacts: A Workshop Report (2008)", The National Academies Press(全米研究評議会 2008年 激甚宇宙天気現象:社会的・経済的影響の理解に向けて:ワークショップレポート、ワシントンDC:全米アカデミー出版局) doi.org/10.17226/12507
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