- 2021/06/02 掲載
政府成長戦略案、コロナ禍受け労働移動や債務処理など盛り込む
政府が労働生産性の向上に力点を置くのは、安倍晋三前政権下で女性や高齢者の就労が進んで労働参加率が上昇し、他の主要国と比べて相対的に低い労働生産性の向上が課題となっているため。
コロナ禍からの景気回復は「K字型」とも呼ばれ、格差拡大が課題となっているため、悪影響を受けている飲食、宿泊、エンターテインメント業界などを対象に業態転換や事業再構築を支援する。これら業界の非正規労働者を支援するため、簡単なトレーニングを行って時間的制約の少ない事務職などに転職できるシステムを検討する。企業側に勤務時間の分割、シフト制の普及や短時間正社員の導入などを求める。
企業の破綻処理に関連し、取引先が減少するといった事業・収益性を毀損するリスクの低い私的整理による事業再生の円滑化を図るため、利便性拡大に向けた法制面の検討を行う。
炭素税や炭素削減価値を市場で取引するカーボンプライシングについては、投資の促進につながり、成長に資する制度設計ができるかどうかについて議論を進める。
再生可能エネルギーや省エネなどの事業に使い道を限ったグリーンボンドの取引が活発に行われるグリーン国際金融センターの実現を目指す。
新規株式公開(IPO)で初値が公開価格を上回った場合、投資家は差益を得るものの、公開企業には直接の利益が十分に及ばない現状について実態を把握し、制度の見直しを図る。
主要国では認められているものの、日本では未承認の特定買収目的会社(SPAC)制度について、海外規制当局の対応や市場動向などを踏まえつつ、導入について検討する。
医薬品について、優先度の高いものは継続的な安定供給が可能となるような薬価設定を行う。抗菌薬など安定確保が必要な医薬品の原料は、国内での製造支援や備蓄制度の導入を検討する。
日本の半導体メーカーが、米国・台湾などと比較して微細技術など最先端化で出遅れている現状を踏まえ、国内での先端半導体の生産拠点立地を推進する。
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