- 2021/06/03 掲載
21年世界の失業者、パンデミック前大きく上回る=ILO報告書
ILOは、来年の失業者は2億0500万人に減ると試算。依然として新型コロナ危機が景気に大打撃を与える前の19年の1億8700万人を大幅に上回る。
ILOの算出モデルに基づくと、世界の失業率は21年に6.3%となる。来年は5.7%へ低下するが、パンデミック前の19年の5.4%を依然上回る。
ILOは報告書で「少なくとも23年まで失った雇用を取り戻すことができない」と述べた。
ILOのエコノミストで報告書の筆頭著者であるステファン・クーン氏はロイターに対し、多くの労働者が勤務時間の短縮を余儀なくされたことや、ほかの要素を考慮すれば、労働市場への打撃はもっと大きかったと話す。
19年に比べて20年に失った労働時間は、1億4400万人の正規雇用に相当。21年の第2・四半期時点でも依然1億2700万人の正規雇用に相当している。
クーン氏は「失業状況は労働市場への打撃を捉えていない」と話した。米国では、大量の失業者が出た後に採用が再開した一方、欧州を中心にほかの地域では短縮勤務が続いていると指摘した。
報告書は、女性や子ども、そして非公式な部門で働く20億人の人々が最大の打撃を受けたとした。世界中で貧困、もしくは非常に貧困と分類される人口が19年と比べ1億800万人増えたという。「貧困労働者撲滅に向けた5年間の進歩が台無しになった」とした。
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