- 2021/06/11 掲載
前場の日経平均は反落、模様眺めムードで小動きに終始
10日の米国株式市場は、S&P総合500種指数が終値で最高値を更新。朝方発表されたCPIを受け、インフレの高進が一過性にとどまるとの見方が広がり、主要株価3指数はいずれも上昇した。
前月比のCPIの伸びが鈍化したことで米10年債利回りが1.4%台前半まで低下。これが手掛かりとなって日本株も比較的底堅く推移したが、週末であるほか来週もFOMC(連邦公開市場委員会)など重要イベントを多数控えるため、上値に対して慎重な動きとなった。
朝方は、メジャーSQ(特別清算指数)が算出され、市場推定のSQ値は2万9046円40銭。「テクニカル面ではこれを上回るかどうかが注目される」(野村証券・投資情報部ストラテジストの神谷和男氏)との声も聞かれたが、その後、一時的に上回る場面もあったことでSQ値は「幻の高値」にならなかった。
市場では「来週もイベントが多いため、しばらく方向性の乏しい動きが続きそうだ。そうした中、エーザイのように材料が出た銘柄を中心に、個別に物色する展開が続くとみられる」(雨宮総研・代表の雨宮京子氏)との声も聞かれる。
TOPIXは0.27%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆7721億7300万円となった。東証33業種では、海運業、医薬品などが上昇し、空運業、その他金融、不動産業などの値下がりが目立つ。
個別では、東京エレクトロンなど半導体関連株が物色されたほか、日本郵船などの海運株もしっかり。自社株買い発表の日本郵政も高く、エーザイが上場来高値に顔合わせした。半面、三菱UFJフィナンシャル・グループなど銀行株が売られ、東芝も下落し、ソフトバンクグループが軟調。トヨタ自動車もさえない。
東証1部の騰落数は、値上がりが881銘柄、値下がりが1197銘柄、変わらずが114銘柄だった。
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