• 2021/07/23 掲載

コロナ治療へ「武器」続々=抗体薬承認、軽症から重症まで

時事通信社

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新型コロナウイルス治療薬として、中外製薬が申請した抗体カクテル療法が承認された。国内で承認された治療薬は4例目だが、新型コロナを標的とする抗体薬は初。当初は手探りだった新型コロナとの戦いも、予防はワクチン接種が進み、治療も軽症から重症まで対応できる「武器」が徐々にそろいつつある。

新型コロナをめぐっては、体内のウイルス量は発症直後が一番多いことが判明している。症状が進行するにつれウイルスは減少するが、自己免疫の暴走で過剰な炎症反応が起き、肺などの細胞が破壊される。

このため、軽症から中等症では、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬が効果を発揮する。富士フイルム富山化学(東京)が抗インフルエンザ薬アビガン、米メルクは新薬モルヌピラビルの臨床試験(治験)を進行中。塩野義製薬の新薬も9月までの治験開始を目指す。

抗体カクテル療法など、ウイルスから細胞を守る抗体薬も比較的軽い症状で有効だ。英グラクソ・スミスクラインが開発する新薬のソトロビマブは、ウイルスの変異に強い。海外で日本人に対する治験を実施中で、「早く患者に届けたい」(スージー・バーンズ日本法人取締役)として当局と協議を進めている。

一方、重症患者にはウイルスを標的とする薬の効果は限定的で、炎症を抑える薬が処方される。中外製薬の関節リウマチ薬アクテムラは、米国では緊急使用許可が下りており、国内でも年内の申請を検討中だ。ロート製薬などが取り組む再生医療も、将来は有望な選択肢になる可能性がある。

抗寄生虫薬イベルメクチンも「抗ウイルス効果に加え、抗炎症効果もある」(花木秀明北里大教授)として、期待を集めている。医薬品メーカーの興和(名古屋市)が近く治験を開始する。

アビガンやアクテムラ、イベルメクチンなどは他の病気の治療薬として承認されており、新型コロナにも医師の判断で使われている。一方で開発中の新薬は治験以外で投与できず、使用には承認を待つ必要がある。

ただ、治療薬の開発失敗も少なくない。小野薬品工業の慢性膵炎(すいえん)治療薬フオイパンは軽症患者に使われるが、治験では有効性を確認できなかった。次々と登場する変異株も悩みの種で、新型コロナとの戦いはまだ終わりが見えない。

【時事通信社】

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