- 2021/09/07 掲載
焦点:活況の夏が過ぎた株式市場、9月はイベント盛りだくさん
7日の豪中銀理事会を除く、投資家が注目する今月の7大イベントを時系列的に以下にまとめた。
<9日のECB理事会>
9日の欧州中央銀行(ECB)理事会は活発な議論が行われそうだ。タカ派は総動員で景気刺激策終了の議論を開始する時だと訴えている。
ECBは買い入れペース減速を選択する可能性があるものの、ラガルド総裁は、これはテーパリング(量的緩和の縮小)と同じではないと強調する公算が大きい。
そうしたコミュニケーションは簡単ではないだろう。リスクは市場がタカ派的な措置と解釈し、ユーロとソブリン借り入れコストを押し上げることだ。
<20日のカナダ総選挙>
トルドー首相が2年前倒しで決めた総選挙は接戦に。新型コロナウイルス流行とワクチン展開への自身の対応が勝利をもたらすと期待しているが、世論調査で首相の自由党はオトゥール党首率いる野党・保守党と支持率で互角となっている。
カナダの選挙がグローバル市場で注目されるのはまれだが、自由党が大手銀行への増税を提案し、両党が財政支出拡大を訴える中、今回は注目度が高くなっている。
<21─22日のFOMC>
8月の米雇用統計は低迷したが、米連邦準備理事会(FRB)が21─22日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)を受けてテーパリングのスケジュールを発表する可能性があるとの見方は消えていない。ただ、テーパリングの年末開始がほぼ織り込まれる中、焦点は利上げ時期にシフトしている。
パウエルFRB議長はテーパリングと利上げは別であり、現在のインフレ高進は一時的との認識を再度強調するとみられる。
先物市場では2023年初めに最初の利上げがあることが織り込まれている。パウエル議長の任期は22年2月に切れる。ロイター調査では90%のエコノミストが続投を見込んでいる。
<23日のノルウェー利上げ>
ノルウェー中銀は政策金利をゼロ%から引き上げる方針。先進10カ国(G10)で利上げは初となる。
利上げは新型コロナ感染拡大の先を見据え、力強く回復する経済にフォーカスする中銀の意欲を示すものとなる。
<26日のドイツ総選挙>
西欧で最も長きにわたって指導者を現在務めているメルケル独首相は、16年間の在任と4回連続の選挙戦勝利を経て退任する。
世論調査で中道左派の社会民主党(SPD)がメルケル首相の保守系与党に支持率で差をつけていることから、総選挙後の連立の選択肢に関心が集まっている。
投資家の関心は新政権が国内と欧州レベルの財政政策に及ぼす影響や、欧州統合への影響だ。
<29日の自民党総裁選>
菅義偉首相は3日午後、官邸で記者団に対し、新型コロナ対策に専念するために総裁選不出馬を決めたと語った。
29日投開票となる自民党総裁選は今のところ最有力候補は見当たらない。その後は総選挙が11月28日までに行われる。
<米債務上限は月内が鍵>
米連邦政府の債務上限が復活し、10月には資金繰りが行き詰まる可能性がある。
政府機関の閉鎖や債務不履行(デフォルト)を回避するため、議会は月内に債務上限を引き上げるか、上限の適用を停止しなければならない。共和党の上院議員はこれまで、上限引き上げには反対すると表明している。
債券市場でデフォルトリスクを織り込んでいる兆候は見られていないが、変わる可能性はある。
PR
PR
PR