- 2021/09/10 掲載
SBI、規模拡大へ実力行使=新生銀は対応苦慮、公的資金がカギ
インターネット金融大手SBIホールディングスが、新生銀行の連結子会社化を目指してTOB(株式公開買い付け)を行うと発表した。新生銀は「当行取締役会の賛同を得たものではない」と強調しており、総合金融グループを目指すSBIが規模拡大へ実力行使に踏み切った格好だ。
新生銀はTOBに対する賛否について、「(提案内容などの)情報を分析・検討して株主に示す」として慎重に検討する構えだ。
ただ、同行は公的資金注入など国の支援を受けており、必要な返済額は約3500億円に上る。SBI側は今回、TOB成立後に新生銀株を持つ預金保険機構などと公的資金返済に向けて協議すると表明した。このため新生銀は、TOBを拒否する場合は公的資金返済の道筋について明確な説明を求められることになりそうだ。
SBIは新生銀に対し、株式を取得した上で2019年9月から資本業務提携を提案してきたが、「前向きな回答を得られなかった」と主張する。両社は地域経済の活性化など一部業務で提携するものの、SBIが提案していた証券業務での提携をめぐり、新生銀はSBIと競合するマネックス証券との提携を選択。対立が鮮明となり、SBIが新生銀株の取得を加速させた経緯がある。
SBIは「第4のメガバンク」構想を掲げ、地方銀行への出資を進めている。TOBの行方によっては、地域金融を巻き込んだ新たな巨大金融グループが誕生し、金融界に新たな再編のうねりを引き起こす可能性がある。
【時事通信社】
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