- 2021/10/12 掲載
アジア開発の動き「不透明」=年明けにも中期事業戦略―東京機械社長
新聞印刷用の輪転機大手、東京機械製作所の都並清史社長は11日、時事通信社のインタビューに応じ、企業価値を向上させる中期的な事業戦略を年明けにも発表する意向を明らかにした。投資会社、アジア開発キャピタルによる東京機械株式の買い集めについては、「非常に(買い増しの手法が)不透明」と批判し、22日に開く臨時株主総会で買収防衛策の導入を目指す方針を強調した。
アジア開発による株の買い占めが表面化して以降、都並氏が報道機関のインタビューに応じたのは初めて。都並氏は「金融機関の支えや新しいグループの形を模索することは十分ある」とも語った。
アジア開発は子会社と共同で東京機械株の取得を6月から活発化し、保有割合を9月までに4割弱に高めた。買い占めに対抗し、東京機械は8月、買収防衛策の導入を臨時株主総会に諮る方針を表明。アジア開発関係者を除く既存株主に無償で新株予約権を割り当て、アジア開発側の持ち株比率を下げる内容で、22日の臨時総会を前に両者が委任状集めを進めている。
都並氏は買収防衛策の意義について、「(特別決議の拒否権がなくなる)33%以下まで落とせば大きい」と指摘。その上で、「(戦うための)時間を作る」と述べ、臨時総会後もアジア開発と協議を続ける構えを見せた。
都並氏は今後の事業戦略について、利益率の高い輪転機の保守・点検事業の強化に加え、人工知能(AI)活用、工場自動化などの新規分野で収益性を改善させる方針を表明。「新聞社一辺倒から(収益源を)少しずつ増やしたい」と語った。
輪転機については、「115年間、新聞社をインフラ部分で支えている。使命を揺るがさずにやることが企業価値を上げることになる」と、新聞発行を支える事業の公益性にも言及した。
【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに応える東京機械製作所の都並清史社長=11日午前、東京都港区
関連コンテンツ
PR
PR
PR