- 2021/10/26 掲載
UBS、第3四半期は9%増益 市場の活況継続で
四半期利益としては、2015年以来の高水準。金融市場の活況が続き、富裕層向け資産運用を含む各部門が好調だった。
同行がまとめたアナリスト23人による純利益予想は15億9600万ドルだった。
超富裕層の取引活動が増え、手数料収入が23%増加した。
ただ、第4・四半期については、やや慎重な見方を示し、景気回復や中国の政策変更を巡る不透明感が続き、事業に悪影響を及ぼす可能性があると指摘。第3・四半期は顧客の活動が異例の高水準だったとの見方を示した。
ラルフ・ハマーズ最高経営責任者(CEO)は発表文で、全ての事業部門と地域が堅調を維持したと表明。市場の活況を背景にUBSは過去4四半期全てで2桁台の最終増益率を確保している。
第3・四半期は市場の良好な状況に加え、融資事業と富裕層の顧客取引が拡大し、前年同期の高い水準と比較しても予想外の増益となった。
投資銀行部門の税引き前利益は32%増。世界のトレーディング収入は前年の特別要因の反動で7%減少したが、M&A(合併・買収)関連業務の増加によって相殺された。収入は1%増。株式トレーディング部門の収入は3%増の13億6000万ドル。為替・金利・クレジット部門の収入は32%減の3億6300万ドルだった。
M&Aや上場の助言料収入は22%増の7億9200万ドル。M&Aが活発だったことが寄与した。
主力部門である富裕層向け資産運用は税引き前利益が43%増加した。富裕層・超富裕層の取引による利益が4%増加したほか、融資と利ざやの拡大で純金利収入が15%増加した。手数料収入を生む新規の資金流入は188億ドル。運用資産は6月から若干減少し、3兆1980億ドルとなった。
同社はまた、米州で富裕層向けに、デジタル技術によって効果が測定可能な助言モデルを構築する計画を明らかにした。
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