- 2021/10/27 掲載
オープン外債に慎重、円金利資産減少 超長期債は購入=かんぽ生命運用計画
27日に開催した21年度下期資産運用方針説明会で、野村裕之運用企画部長が明らかにした。
このうち円金利資産は、保有債券の償還が今年度で4兆円弱、下期単体でも2兆円弱見込まれると前置き、「30年を中心に超長期国債を多少予定を前倒しして買い入れているが、償還分には届かず、全体の残高は減少する見通し」(野村氏)という。
同氏は積極的に国債を買える金利水準として、「30年金利で今の水準(0.7%)から1%程度。1%の壁はかなり高いので、0.9%くらいあればうれしいところだ」と述べた。
外国債券のうち、円金利資産の代替と位置付けるヘッジ付き外債については、内外の金利水準やヘッジコストの変化を踏まえて、タイミングをみて米国債、米国社債を中心にドル建て債券に投資するが、残高は横ばいの見通し。
一方、オープン外債には慎重姿勢を示した。野村氏は「足もとの海外金利は上がっているが、昔と比べれば高金利ではない。また為替のボラティリティが大きい中でもあり、慎重スタンスでいる。円安がかなり進んでいるので、この水準から積極的に残高を増やすことは考えていない」と説明した。
またハイリスク資産の株式のうち、国内株については、出遅れ修正の余地があるとの見方からやや強気で、残高は微増を見込む。インデックス運用とインハウスでの銘柄選択の両建てで、調整局面での積み増しを計画している。外国株は残高横ばいの見通し。
このほかオルタナティブ資産は、上期に続き、残高を増やす。「急激に増やせるアセットではないので時間はかかるが、中長期目線で着実に増やしていきたい」(野村氏)として、プライベートエクイティ(PE)、インフラエクイティを中心に残高を積み増す計画。
かんぽ生命の一般勘定の総資産残高は、6月末時点で68兆8288億円。うち外貨建て資産は5兆5662億円(8.1%)。
2021年度下期の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。
日本国債10年物利回り 0.00―0.25%(年度末0.10%)
米国債10年物利回り 1.20―1.90%(年度末1.70%)
日経平均 2万7000―3万3000円(年度末3万1000円)
ドル/円 107―115円 (年度末112円)
ユーロ/円 125―135円 (年度末130円)
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