- 2021/11/24 掲載
日本政府、国家備蓄石油の一部放出を決定 米国と協調
[東京 24日 ロイター] - 日本政府は原油価格の上昇を受け、米国と協調して石油の国家備蓄の一部を放出することを決定した。岸田文雄首相が24日午前、発表した。
岸田首相は記者団に対し、新型コロナウイルス禍からの経済回復には原油価格の安定が重要だと説明。「米国と歩調を合わせ、現行の石油備蓄法に反しない形で国家備蓄石油の一部を売却することを決定した」と語った。
産油国に増産を働きかけるとともに、農業や漁業など業種別の対策、ガソリンの急激な値上がりを緩和する措置も講じる方針も改めて示した。
松野博一官房長官は同日午前の会見で、国家石油備蓄の放出に関して「油種入れ替えを前倒しで実施することとした」と述べた。具体的な売却の方法やスケジュール、手続きなどはこの後、萩生田光一経済産業相が説明するという。
米国が備蓄放出を発表した後、原油先物は1週間ぶりの高値に上昇した。米国をはじめ日本、インド、中国などが協調して行う石油備蓄放出による原油価格への影響は長続きしないとの見方が出ていた。
松野官房長官は備蓄放出決定後の原油価格上昇について「一つ一つの状況にコメントしない」と述べるにとどめた。
一方、24日アジア時間では、原油先物は下落に転じている。世界的な需給逼迫懸念が和らいだほか、前日に上昇した反動で利益確定の売りが出ている。
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