- 2021/12/02 掲載
中国政府顧問、2022年成長率目標の引き下げ提言へ
投資家の関心は、今月開催される中国経済工作会議に集まっている。会議では、翌年の経済政策の基本方針が決定され、通常3月に開催される全国人民代表大会(全人代)で公表される。
3人の顧問は匿名を条件にロイターに、来年の成長率目標を5─5.5%とする提言をまとめたことを明らかにした。今年の目標は「6%以上」だった。
3人のうちの1人は、「理想的には来年の成長率は5─5.5%あるいは約5.5%となる。来年は新たな指導部が発表されることから、経済の安定維持が必要だ。経済の圧力に対応するには、カウンターシクリカルな政策も必要になる」と述べた。
また政府の有力シンクタンクのトップの顧問は、成長率目標を5%以上とするよう提案した。
顧問による提言は政府に対して行われるが、最終的な意思決定プロセスの一部ではない。提言がいつ正式になされるかは不明。
10月のロイターのエコノミスト調査では、来年の中国の成長率は5.5%に鈍化するとの予想が示された。ただその後、不動産セクターの悪化など新たなリスクで予想を引き下げる向きもあった。新型コロナウイルスの新たな変異株もリスクを高めるとみられている。
中国経済は、不動産市場の下落や厳格な新型コロナ対策による消費低迷など、来年に向けて数多くの逆風にさらされている。
政府は景気対策として金融と財政の支援を加速させる見通し。
オックスフォード・エコノミクスのLouis Kuijs氏は、「政府は金融リスクと債務の抑制に積極的で、成長鈍化を許容してきた。ただ、依然成長も重視しており、急激な景気減速を回避したいと思っている」と指摘した。
去年の経済工作会議では、景気回復を利用して構造改革に重点を置く方針が示された。
成長目標をアナリストが予想した8%超を大幅に下回る「6%以上」に設定することで、必要な経済の変化に対する余地を与えていた。
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