- 2021/12/08 掲載
航空業界の黒字回復の期待、オミクロン株で後退か
アメリカン航空のロバート・イソム次期最高経営責任者(CEO)はロイターに対し、黒字転換できるかは旅行需要の全面回復次第だと強調し、そうした需要回復がなければ「黒字回復も遅れるだけだ」と嘆いた。国内線は堅調なままだが、一部の国際線市場の需要が今回の渡航規制で打撃を受けていると認めた。
国連の航空関連機関は7日、オミクロン株対策の渡航規制について各国政府は慎重になるべきで、導入するなら最終手段の位置付けにしてほしいと訴えた。外国人の入国禁止に動いたのは日本。米国は入国便の搭乗24時間前のウイルス検査を義務化しようとしている。シンガポールの入国者は今や、到着後7日間は毎日ウイルス検査を受けなければならない。
シンガポール航空傘下の格安航空スクートのキャンベル・ウィルソンCEOはシドニーでのイベントで、オミクロンの話が出てくるまでは入国規制の解除が加速していたと恨めしげだった。「それ以来、われわれは基本的に一時停止状態にある」と訴えた。
一方で、コロナワクチン接種率の上昇や新たなコロナ治療薬の登場が事態を改善すると期待する声も航空会社や旅行会社から聞かれる。オンライン旅行サービスのブッキング・ホールディングスのグレン・フォゲルCEOは「今回は、(コロナ禍が始まったばかりの)昨年春とは状況が違う」と口にした。
もっとも旅行予約会社トラベルポートのアジア太平洋担当幹部によると、一部地域の予約検索は週を追うごとに落ち込んでいる。渡航者が安心して旅行するかどうかは政府発表と密接に結びつく傾向があるとも指摘した。
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