- 2022/01/06 掲載
ピラミッド構造に変化も=異業種のEV参戦で―自動車業界
ソニーグループが電気自動車(EV)事業への参入を本格的に検討することを表明した。二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「脱炭素化」の流れが世界中で加速する中、商機を探るITなど異業種の参戦が今後も続くのは必至。大手完成車メーカーを頂点に系列の部品メーカーが連なる業界のピラミッド構造に変化が生じる可能性も高まっている。
EVの製造は、必要とされる部品が約2万点で、ガソリン車の約3万点より少ない。構造も比較的単純で組み立ても容易とされることから、異業種にとってエンジンが自動車の動力として主流だった時代よりも参入障壁は低いとみられる。
自動車部品では既に、参入企業の増加を見据え「(系列を超えた)新たな取引先の開拓を進めている企業は多い」と業界関係者は打ち明ける。系列取引を通じて高品質な部品を安定的に確保してきた日本メーカーの競争力の基盤が大きく揺らごうとしている。
ソニーの参入表明を受け、東京都内で記者団の取材に応じたホンダの三部敏宏社長は5日、「新しい業種からの参入は、自動車産業の活性化につながるのでウエルカム(歓迎)だ」と語った。それでも、将来的にEVが自動車生産の主流となった場合「今の自動車大手全ては存続できない。IT企業の受託生産をする企業も出てくるのではないか」との予測も業界内にはある。
【時事通信社】
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