- 2022/01/20 掲載
SPAC制度、導入は可能だが日本独自のルール必要=東証社長
SPACとは未公開会社の買収を目的として設立される会社のことで、上場時に事業の実体を持たないことから「空箱」とも呼ばれている。調査会社のSPACリサーチによると、米国では2021年に613社のSPACが上場を果たした。ただ、足元では当局による規制強化などにより、過熱感は薄らいでいる。
日本国内ではSPAC上場は認められていないものの、岸田文雄首相が設置した「新しい資本主義実現会議」では、スタートアップの創出と成長・発展の観点から、制度の検討が11月の緊急提言に盛り込まれた。
山道社長は、経営が安定していく段階のレートステージのベンチャーに対する資金調達手段について、従来の新規公開株式(IPO)だけでなく「ベンチャーファンドやSPACなど、いろいろな道が出てきた方が利便性が上がる」との見方を示し、「SPAC制度そのもの(の導入)はできるのではないか」と述べた。
一方、マレーシアなどではSPAC制度がすでに導入されているが、「米国のような重層的なリスクテイカーがいない」ため、制度を活用しきれていないと指摘。日本も例外ではなく、「(導入されても)案件が出てくるかどうかは未知数」と語った。
その上で、例えば香港では機関投資家らプロに限定しているように、日本でも投資家保護を踏まえた制度作りを検討する必要があるとの考えを示した。
東証はSPAC制度の在り方等に関する研究会を設置し、機関投資家や弁護士らと制度のメリットや課題、認められた場合の制度作りなどに関して議論を進めている。今年の上半期をめどに議論の内容をまとめる予定という。
※インタビューは19日に実施しました。
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