- 2022/01/22 掲載
英中銀、インフレ圧力への対応必要=マン委員
シンクタンクの公的通貨金融機関フォーラム(OMFIF)での講演で、英中銀の調査から得られた物価や賃金に対する期待はインフレ率が英中銀の2%目標に回帰するという見方と食い違っており、そのような期待が2022年に現実化すれば高インフレが長期化する可能性があると指摘。「個人的な見解では、現在の金融政策の目的は、この『堅調かつ長期的な』インフレシナリオに逆らうことだ」とした。
英中銀が実施した昨年12月の利上げについては、労働者、企業、資産家が現在行っている戦略的な意思決定に影響を与えることが目的とし、「期待を変化させることは賃金と物価に関する変動の高まりに対する最初の防衛策だ」と語った。
2月の利上げを巡る判断については、英中銀の新たなスタッフからの説明を待っているとしたが、世界的なインフレ圧力の強さによっては、英中銀は英国内の経済状況だけで正当化される以上に引き締める必要があるかもしれないとした。
一方で、早期の対応が国民や企業のインフレ期待を押し下げ、今後必要とされる引き締めの度合いが抑制される可能性があるとしたほか、インフレ圧力の対応に緊急性を感じているものの、インフレ要因には英中銀がコントロールできないものもあるとした。
質疑応答では、英中銀の利上げ開始が遅すぎたとの指摘を否定。英国の国内総生産(GDP)は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)がなかった場合の水準よりも依然として低く、雇用水準も低調だと強調した。
また、原油価格の高騰でインフレ率が5%を上回った2011年と同じアプローチを実施しなかったことについて、当時は世界金融危機後で英失業率が過去最悪に近かったと説明。「現在の状況は、労働市場も商品市場も逼迫した『レジームチェンジ』の可能性がある。これは企業や労働者が自分たちに価格決定権があると考えるような状況だ」とした。
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