- 2022/01/27 掲載
米小型株、相場底打ちのシグナルか 最高値からの下落率が一時20%に
ラッセル2000指数はこのところの株安を主導。昨年11月8日に終値として過去最高値を更新して以来、ほぼ一本調子の下げが続いている。一方、S&P総合500種指数は今年1月3日に終値で過去最高値を更新している。
25日の取引終了時点でラッセル2000指数は終値の過去最高値から18%下落。一方、S&P総合500種は過去最高値より約9%下げている。市場では一般的に、終値ベースで過去最高値より20%以上低い水準であれば弱気相場、10%低い水準であれば調整相場と呼ばれる。
ジェフリーズの中小型株ストラテジスト、スティーブン・デサンクティス氏は「小型株は総崩れだった」と指摘。「小型株は平均で52週の高値から40%ほど低い水準にある」と述べた。
デサンクティスは、相場の底はまだかもしれないが、「これは底打ちのプロセスの一部だ」と説明。小型株は「(危険が迫っていることを知らせる)炭鉱のカナリヤ」としての役目を担っていると話した。
デサンクティス氏は、投資家はラッセル2000指数に景気後退入りを織り込みつつあるようだが、実際には景気後退は起こりそうもないと見ている。小型株の「バリュエーションはかなり割安になりつつある。業績は持ちこたえている。現在より状況が大きく悪化するとは考えられない」と言う。
ラッセル2000指数は24日、取引時間中に一時、昨年11月に付けた終値の過去最高値からの下落率が20%を超えたが、その後は持ち直し、前営業日比2.3%高で取引を終えた。同指数は終値ベースでは最高値から20%安の水準を割り込んでいない。
一部のストラテジストは、取引時間中にこうした安値を付けたことが、特にラッセル2000指数の場合はいくつかの買いシグナルの引き金となるかもしれないと話した。
ロングボウ・アセット・マネジメントのジェイク・ダラーハイド最高経営責任者(CEO)は「大量の資金が今なお待機中であるため、資金のある人は特にこうした局面に波長を合わせている」と指摘。ラッセ
ル2000指数の動きは「何よりも大きなシグナルだったのかもしれない」と述べた。
小型株は値下がりによって特に魅力的にみえるかもしれない。
リフィニティブのデータによると、ラッセル2000指数組み入れ銘柄の業績見通しに基づく株価収益率(PER)は現在22.1倍で、昨年11月上旬の28.1倍から低下している。しかしS&P総合500種の業績見通しに基づくPERは19.7倍で、昨年11月初旬の21.8倍からの低下幅が小さい。
BoAセキュリティーズのストラテジスト、ジル・ケアリー・ホール氏は今週の顧客向け資料で、ラッセル2000指数が昨年11月の高値から大きく下げる中、「最悪の局面は大方過ぎ去った」とし、投資家は「小型株にこだわる」べきだと呼びかけた。
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