- 2022/01/28 掲載
NY市場サマリー(27日)ドル指数20年7月以来の高値、短期債利回り上昇
<為替> ドルが主要通貨に対し上昇し、2020年7月以来の高値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)が25─26日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、予想通り3月に利上げし、その後保有資産の大幅な圧縮に着手する可能性が高いと示唆したことが引き続き材料視された。
終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.8%上昇し、20年7月以来の高値となる97.299。1日の伸びとしても、約2カ月ぶりに高さとなった。
政策金利の動向に敏感な米2年債利回りの上昇もドルへの追い風に。
ユーロ/ドルは0.95%安の1.1133ドルと、20年6月以来の安値に沈んだ。
ドル/円も続伸し、0.49%高の115.21円。
ドルはニュージーランドドルに対し約1年ぶり高値、豪ドルに対しても約7週間ぶり高値を付けた。
米商務省が発表した21年通年の成長率は5.7%と、1984年以来、約40年ぶりの大幅な伸びを記録した。21年第4・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比6.9%増と、第3・四半期の2.3%増から加速した。
ロシア通貨ルーブルは対ドルで2.09%高の77.77ルーブル。ウクライナとの戦争という考えさえ容認できないというロシア側の発言を受け、ロシア・ウクライナ間の緊張悪化を巡る懸念が和らいだ。
オフショア人民元はドルに対し0.52%安の6.3668元。中国国家統計局が発表した21年12月の工業部門企業利益は前年比4.2%増で、伸び率は前月(9%)から鈍化し20年4月以降で最低となった。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.5%安の3万6276ドル。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 短期債利回りが上昇した。FRBのパウエル議長が堅調な労働市場と持続的な高インフレに言及し、年内の複数回の利上げを示唆したことを受けた。
2年債利回りは1.208%と、約2年ぶりの高水準を付けた。
5年債利回りもオーバーナイトで1.701%と2019年12月以来の高水準を付けた。その後は1.6518%で小動きとなった。
パウエル議長の発言を受け、フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場は年内に約5回の利上げが実施されるとの見方を織り込んだ。FOMC前は約4回だった。
また、3月のFOMC時の利上げ幅として約30ベーシスポイント(bp)を織り込んでいるほか、50bpの利上げが実施される確率は20%となっている。
午後の取引で、米2年債利回りは約8bp上昇の1.1683%、5年債利回りは1bp上昇の1.6550%。
一方、530億ドルの7年債入札が堅調だったことが長期債への買いを促した。最高落札利回りは1.769%と入札締め切り時の予想水準を下回り堅調な需要を示唆した。応札倍率は2.36倍と平均の2.28倍を上回った。
入札後の7年債利回りは3bp低下し、1.7699%となった。
指標10年債利回りは5bp低下の1.8119%。30年債利回りは8bp低下の2.1016%。
2・10年債の利回り差は62.8bpと11月下旬以来の水準に縮小。5・30年債の利回り差も42.4bpと2週間ぶりの水準に縮小した。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 小幅続落して終了。午前中には上昇していたが、その後押し戻されて下げに転じた。前日のFOMCではFRBのタカ派姿勢の強まりが示されたが、金融政策の先行きを巡る不透明感が高く、不安定な相場展開が続いている。ウクライナ情勢への警戒感も根強い。
主要株価3指数はここ数日、不安定な値動きとなっている。
半導体のインテルは大幅下落。同社は前日、第4・四半期決算を発表。売上高は過去最高を更新したものの、併せて公表した第1・四半期の利益見通しは市場予想を下回った。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 対ユーロでのドル高が重しとなり、続落した。2月物の清算値(終値に相当)は前日比36.60ドル(2.00%)安の1オンス=1793.10ドル。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 3日ぶりに反落。供給逼迫(ひっぱく)懸念から買いが先行したが続かず、ドル高などを背景とした売りに押された。米国産標準油種WTI3月物の清算値(終値に相当)は前日比0.74ドル(0.85%)安の1バレル=86.61ドル。4月物は0.67ドル安の85.29ドルとなった。
ウクライナ情勢を巡るロシアと欧米諸国の緊張が深刻化すれば、有力産油国であるロシアから欧州への供給停滞が生じるとの見方が台頭。世界全体の供給が逼迫するとの警戒感の強まりから朝方は買いが先行し、一時88.54ドルに上伸した。
その後は堅調な統計結果を受け、外国為替市場では対ユーロでのドル高が進行。ドル建て商品としての割高感の強まりから、原油は一転して売りに押される展開となった。
前日に中心限月ベースで2014年10月上旬以来、約7年4カ月ぶりの高値を付けていた反動から、利益確定の売りも出やすかったもようだ。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY午後4時 115.34/115.37
始値 115.19
高値 115.48
安値 115.16
ユーロ/ドル NY午後4時 1.1141/1.1145
始値 1.1157
高値 1.1168
安値 1.1133
米東部時間
30年債(指標銘柄) 16時35分 95*08.00 2.0899%
前営業日終値 93*20.00 2.1660%
10年債(指標銘柄) 16時34分 96*05.50 1.8030%
前営業日終値 95*25.50 1.8460%
5年債(指標銘柄) 16時33分 99*07.00 1.6632%
前営業日終値 99*09.75 1.6450%
2年債(指標銘柄) 16時33分 99*12.13 1.1902%
前営業日終値 99*18.38 1.0910%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 34160.78 -7.31 -0.02
前営業日終値 34168.09
ナスダック総合 13352.78 -189.34 -1.40
前営業日終値 13542.12
S&P総合500種 4326.51 -23.42 -0.54
前営業日終値 4349.93
COMEX金 2月限 1793.1 ‐36.6
前営業日終値 1829.7
COMEX銀 3月限 2267.6 ‐113.1
前営業日終値 2380.7
北海ブレント 3月限 89.34 ‐0.62
前営業日終値 89.96
米WTI先物 3月限 86.61 ‐0.74
前営業日終値 87.35
CRB商品指数 250.9069 ‐1.0205
前営業日終値 251.9274
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