- 2022/02/14 掲載
サウジ、アラムコ株800億ドル相当を政府系ファンドに移管
皇太子は声明で、アラムコ株の移管により、PIFの健全な財務基盤と高い信用格付けが強化されると述べた。
皇太子はPIFを通じ、サウジ経済を原油収入依存から脱却させ、収入源を多様化させる方針。
声明によると、株式移管後もサウジ政府はアラムコ株94%以上を保有する筆頭株主であり続ける。
PIFは2025年末までに運用資産を約4兆リヤル(1兆0700億ドル)に増やすことを目指しており、アラムコ株移管で運用資産は増える見込み。
アブダビ商業銀行のチーフエコノミスト、モニカ・マリク氏は、アラムコ株移管について、「PIFによる債券を含めた国際的な資金調達の展望を支援するもので、将来のアラムコ株売却を支援する可能性がある」と指摘した。
サウジアラムコは声明で、今回の株式移管は政府とPIF間の取引であり、同社は当事者ではなく、移管に伴ういかなる合意にも関与せず、利益も受け取らないと説明。発行済み株式数や業務、戦略、配当方針、統治体制に影響はないとした。移管された株式は他の既存の普通株と同等に扱われるという。
サウジ当局者は先に、アラムコ株を売却する可能性を示唆していた。PIFはコメントを出していない。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は今月、サウジ政府がアラムコの株式追加上場を計画し、最大500億ドルの株式売却を目指していると報じた。
世界最大の石油会社であるサウジアラムコは19年12月にリヤド証取に上場した。現在の時価総額は1兆9900億ドル。
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