- 2022/02/21 掲載
FRB当局者、大幅利上げで引き締め開始に否定的
ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は「最初に大きな一歩を踏み出すことについて説得力のある議論は見当たらない」と述べ、「金利を徐々に引き上げ、(状況を)再評価することが可能」との見方を示した。
FRBは3月の利上げ開始が適切で、開始後は「段階的かつ予測可能」な形で9兆ドルのバランスシートの縮小に着手すべきと指摘。これらの措置によって需要と供給のバランスが改善する見通しとした。
同時に、供給網の問題が解消され、消費者の支出行動が新型コロナウイルス禍前のパターンに戻るに伴いインフレは鈍化するだろうと述べた。
その上で、FRBは必要に応じて利上げペースを調整していくことができるとし、フェデラル・ファンド(FF)金利が来年末までに2─2.5%のレンジにシフトする道筋が理にかなっているとの見解を示した。
FRBのブレイナード理事は、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で「一連の利上げ」を開始した後、「その後の会合」でバランスシートを縮小していく可能性が高いと述べた。
3月の会合で決定すべき措置について具体的な見解は示さなかったが、住宅ローン金利の上昇など最近の金融市場における変化はFRBが向かう方向と「一致している」と指摘。
「市場はFRBのコミュニケーションやデータに整合的な形で金融状況の変化を進めている」と語った。
FF金利先物市場では先週、FRBが3月に50ベーシスポイント(bp)の利上げに踏み切るとの観測が高まった。足元はこうした観測が後退し、市場は25bpの利上げを予想。年間では合計6回の利上げを織り込んでいる。
シカゴ地区連銀のエバンス総裁は18日、現行の金融政策は現在の急激な高インフレに十分に対応していないとする一方、より積極的な引き締めの必要性には否定的な見方を示し、インフレは自律的に緩和に向かうと引き続き確信していると述べた。
パウエルFRB議長は1月以降、公の場で発言しておらず、現時点ではニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁やブレイナード理事の発言がFRB内で優勢な意見に関する最善の手掛かりとなる。
ただ、パウエル氏は3月2日と3日に議会で半期に一度の金融政策報告について証言する予定で、その際の発言が市場の見方に影響する可能性がある。
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