- 2022/02/25 掲載
NY市場サマリー(24日)米国株反発、ドル2年ぶり高値、利回り急低下
<為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが約2年ぶりの高値に急伸。ロシアがウクライナへの侵攻を開始したことで、投資資金が安全資産に向かった。ロシアルーブルは過去最安値水準に急落した。
ドル指数は0.869%上昇。上昇率は米市場が新型コロナウイルス感染第1波の影響を受けた2020年3月以降で最大となった。一時97.740と20年6月30日以来の高値を付けた。
バイデン米大統領が銀行を含むロシアへの新たな制裁措置を発表するとドルはやや弱含んだ。
シルバーゴールドブル社のFX・貴金属リスクマネジメント担当ディレクター、エリック・ブレガー氏は「多くの人が人生で初めて見るような大きな地政学的展開があり、古典的なリスクオフの動きだ」と述べた。
ロシアルーブルは4.51%安の1ドル=84.96ルーブル。一時89.986ルーブルと過去最安値を付けた。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 米金融・債券市場では、米債利回りが急低下した。ロシアがウクライナに侵攻したことを受けて米債市場に資金が流入した。ただ投資家が経済や資本市場への影響を見極める中で利回りの低下幅は序盤から縮小した
ウクライナはロシアやベラルーシ、黒海、アゾフ海から一連の部隊が侵攻してきたと発表。欧州における一国による攻撃としては第2次世界大戦以降で最大だとした。
世界の株式市場は下落し、投資資金は米債や金などの安全資産に逃避。ドルは主要通貨に対して1%超上昇し、原油は一時7%超上昇した。
ウィズダムツリー・インベストメンツの債券戦略部門責任者、ケビン・フラナガン氏は「短期的には不確実性が支配する」とし、質への逃避が強まったり弱まったりすることで市場のボラティリティーが高まると指摘。ウクライナ侵攻の規模は2014年のクリミア半島併合時と大きく異なるが、現時点ではまだユーロ圏を中心とする問題であり、「事態が異なる局面に突入しない限り、消費者や企業の米国を拠点とする行動に影響を与えることはない」とした。
10年債利回りは4.8ベーシスポイント(bp)低下の1.929%。序盤には1.846%まで低下する場面があった。1日の低下幅は11月下旬以来の大きさとなる見込み。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 米国株式市場は反発して取引を終えた。ロシアがウクライナへの全面的な侵攻を開始したことを受け下落して始まったが、バイデン米大統領が新たな対ロシア制裁を発表する中、切り返した。
ナスダック総合が主要株価3指数の上げを主導。S&P総合500種も1%超上昇、ダウ工業株30種も小幅高となった。ナスダックは取引開始直後に3%超値下がりしていた。
バイデン大統領は24日、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ロシアに対する追加制裁措置を発表。ロシア第2位のVTB銀行など新たに4行を制裁の対象とし、ロシアがドルや円、ユーロ、ポンドでビジネス取引を行う能力を制限する。
スパータン・キャピタル・セキュリティーズのチーフ市場エコノミスト、ピーター・カルディロ氏は「米欧が取っている厳しい姿勢は、ロシア経済を可能な限り麻痺させようとする大きなメッセージを金融市場に送っている」と指摘。
「ある観点からすると、これはポジティブだ」とした上で、市場の売りは終わらないかもしれないとし、「今後、原油やコモディティー(商品)価格の上昇に直面するだろう」と語った。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、ロシアのウクライナ侵攻を受けて買われ、3営業日続伸した。
ロシアは24日、ウクライナへの本格的な軍事侵攻を開始。ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟阻止を目指し、ロシアは圧力を強めてきたが、事態は新たな局面に突入した。これを受けて、投資家のリスク回避姿勢が台頭し、米株式は大幅安となった。安全資産とされる金に買いが集まり、相場は一時1976ドル台まで急伸。その後は利益確定の売りが出て、上げ幅を一部縮小した。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、ロシア軍によるウクライナ本格侵攻を受けてエネルギー商品の供給逼迫(ひっぱく) 懸念が増大し、続伸した。
ロシア軍が24日、ウクライナへの本格侵攻を開始したことに、米欧など西側諸国は激しく反発。先進7カ国(G7)はオンラインで緊急首脳会議を開催し、ロシアに「厳しく、協調した経済・金融制裁」を追加で科すと表明した。
ロシアは世界第3位の産油国で、石油輸出では世界2位。これにより、ウクライナや黒海を経由して運ばれるロシア産原油(最大日量100万バレル)の供給が混乱し、市場の逼迫状況に拍車がかかるとの懸念が膨らみ、相場は早朝に一時100.54ドルまで上昇した。100ドルの大台に乗せたのは2014年7月末以来、約7年7カ月ぶり。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 115.52/115.55
始値 114.77
高値 115.69
安値 114.62
ユーロ/ドル NY終値 1.1191/1.1195
始値 1.1172
高値 1.1220
安値 1.1107
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 99*09.50 2.2825%
前営業日終値 99*15.00 2.2750%
17時05分 99*04.50 1.9703%
10年債(指標銘柄)
前営業日終値 99*02.50 1.9770%
5年債(指標銘柄) 17時05分 100*01.50 1.8651%
前営業日終値 99*30.13 1.8880%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*27.13 1.5777%
前営業日終値 99*25.75 1.6000%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 33223.83 +92.07 +0.28
前営業日終値 33131.76
ナスダック総合 13473.59 +436.10 +3.34
前営業日終値 13037.49
S&P総合500種 4288.70 +63.20 +1.50
前営業日終値 4225.50
COMEX金 4月限 1926.3 +15.9
前営業日終値 1910.4
COMEX銀 3月限 2468.7 +13.4
前営業日終値 2455.3
北海ブレント 4月限 99.08 +2.24
前営業日終値 96.84
米WTI先物 4月限 92.81 +0.71
前営業日終値 92.10
CRB商品指数 269.0164 +0.6935
前営業日終値 268.3229
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