• 2026/07/16 22:00 掲載

政府がAI基本計画を改定、バーティカルAIとフィジカルAIでAI主権確立目指す

AIサイバー対処能力の強化や外国政府との連携を明記

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政府は人工知能(AI)政策の指針となる「AI基本計画」を改定し、14日に閣議決定した。急速な技術革新によるサイバー攻撃の危険性増加を踏まえ、最新モデルを活用したサイバー対処能力の強化や外国政府との連携を明記した。また、特定の産業に特化した「バーティカルAI」やロボット制御を担う「フィジカルAI」の開発を推進し、AI主権の確立を目指す方針を示した。
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人工知能戦略本部で取りまとめを行う高市総理(画像:首相官邸HP)
 政府は14日、AI政策の国家戦略を定めた「AI基本計画」の改定を閣議決定した。昨年12月の初策定から約半年という異例の短期間での見直しとなる。背景には、生成AIを中心とする技術の急速な進化と、それに伴う安全保障上のリスクの顕在化がある。 今回の改定では、AIによるサイバー攻撃への備えを抜本的に強化する方針が打ち出された。

 とくに、米アンソロピック社が今年4月に発表した最先端AIモデル「クロード・ミュトス」などがシステムの脆弱性を見抜く高い能力を持つことを念頭に置き、高性能AIがもたらす深刻なリスクに対応するため、サイバー対処能力を不断に強化すると明記した。具体的な対策として、政府系専門機関「AIセーフティ・インスティテュート(AISI)」の機能を拡充し、最新モデルのサイバーセキュリティーに関する性能評価を実施する。

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【図版付き記事はこちら】政府「AI基本計画」改定、Mythosなど最先端AIのサイバー脅威に対応(図版:ビジネス+IT)

 さらに、国内外のAIモデルへのアクセスを確保するため、開発事業者や外国政府機関との連携を強化し、IT製品メーカーにはプログラムの脆弱性修正などの対応を急ぐよう求める。 また、AI技術における特定の国や企業への過度な依存を回避し、「AI主権」を確立することも掲げた。日本の課題解決に資するAIの研究開発を独自に進めるため、汎用的なAI開発から一歩踏み込み、医療や金融など特定の産業領域に特化した業界特化型AI(バーティカルAI)や、物流や介護などの現場でロボットを動かすためのフィジカルAIへの投資に重点を置く。

 政府は、領域別の戦略を策定し、官民連携による集中投資を実施する方針である。 AIの利活用面では、人間の細かな指示なしに動く自律行動型AIの早期実用化が国力に直結すると強調し、AIを前提として業務のあり方そのものを見直す「AIトランスフォーメーション(AX)」を推進する。一方で、思考力や判断力といった人間の能力がAIへの依存によって退化することを防ぐため、教育環境を整備することの重要性も新たに盛り込んだ。

 政府は、技術の進歩に応じた法制度の能動的な見直しを含む規制改革と財政支援を両輪で進めることで民間企業の投資意欲を引き出し、激化する国際競争の中で日本発の技術やサービスの創出を後押しする。

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