- 2022/03/05 掲載
ロシア国債、デフォルト懸念強まる=米S&P、一段と格下げ
【ニューヨーク時事】ロシア国債のデフォルト(債務不履行)リスクが強まっている。ウクライナ侵攻を受けた西側諸国による金融制裁に加え、ロシア中央銀行がルーブル建て国債を持つ外国人投資家への利払いを一時停止したためだ。米格付け大手S&Pグローバル・レーティングスは3日、すでに投機的水準のロシア国債をさらに格下げ。「期限通りに償還されない可能性が非常に高い」と警告した。
日米欧などは制裁の一環で、世界の銀行決済網「国際銀行間通信協会(SWIFT)」からロシアの一部銀行を排除。ロシア中銀による外貨準備の利用も制限しており、外国人投資家への国債利払いなどは厳しくなっている。
こうしたリスクを反映し、金融市場ではロシア国債価格が急落(金利は上昇)した。年初に8%台だった10年物国債利回りは2月中旬から急上昇し、14%に迫っている。
政府や企業が破綻するリスクを取引する金融派生商品「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」市場では、ロシア国債の保証料率が跳ね上がった。5年物は昨年末の約13倍に達している。
格付け大手のフィッチ・レーティングスやムーディーズ・インベスターズ・サービスはロシアの格付けを相次いで投機的水準に引き下げ済み。だが、さらなる格下げに言及している。
ロシア国債の外国人保有比率は低く、デフォルトとなっても直接的な影響は限定的との見方が多い。ただ「ロシア経済、金融システムの混乱が長期化する恐れがある」(別の格付け大手)との指摘があり、特に欧州に顕著な影響が及ぶと懸念する声も出ている。
【時事通信社】 〔写真説明〕ロシア中央銀行=2月、モスクワ(EPA時事)
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