- 2022/03/30 掲載
新電力、倒産が過去最多=エネルギー高騰で採算悪化―21年度
エネルギー価格高騰に伴い、格安で電気を提供してきた新電力各社の採算が急速に悪化している。帝国データバンクは30日、2021年度の新電力の倒産件数が単年度として過去最多の14件に上ったとの調査結果を発表した。これまで最多だった20年度の7倍の水準。電力小売り自由化により参入が相次いだ新電力各社は大きな岐路に立たされている。
倒産した新電力は大半が自前の発電所を持たず、主に日本卸電力取引所(JEPX)で電力を調達し販売してきた。しかし、日本は火力発電が多いこともあり、原油やガス価格の上昇につれて卸価格も高騰。大手に比べ格安な料金を売りにしてきた新電力は値上げに踏み切ることができず、採算が急激に悪化しているとみられる。
帝国データの推計によると、新電力の電力供給1メガワット当たりの利益は21年11月時点でわずか190円。直近でピークだった20年5月(約1万4600円)の2%以下まで減少した。中でも格安な事業者向けでは、調達価格が販売価格を上回る「逆ざや」に陥っているとみられる。
【時事通信社】
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