- 2022/03/31 掲載
英GDP、第4四半期は前期比+1.3%に上方修正 コロナ関連支出が寄与
[ロンドン 31日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が31日に発表した昨年第4・四半期の国内総生産(GDP)確報値は、前期比1.3%増加した。伸び率は速報値の1.0%から上方修正された。新型コロナウイルスのオミクロン株感染が拡大する中、医療支出が増加した。
第4・四半期初めに医療機関の受診が増えたほか、新型コロナの検査・追跡が大幅に増加。ワクチン接種の継続も寄与した。
第3・四半期の0.9%から加速した。ただ、新型コロナ対策の制限措置解除で景気が押し上げられた第2・四半期の5.6%は大幅に下回っている。
市場関係者は2022年に景気回復が鈍化すると予想している。政府予測によると、インフレ率は9%近くに達する見通しで、生活水準は少なくとも1950年代以降で最大の悪化を記録する見通し。
家計はロックダウン(都市封鎖)下で増やした貯蓄を取り崩した。貯蓄率は可処分所得の6.8%と、第3・四半期の7.5%から低下。新型コロナ流行前の6.0%の水準に向けて低下している。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ポール・デール氏は、GDPの上方改定の主因は在庫で、消費支出は下方修正されたと指摘。消費支出には、実質所得の縮小、それを貯蓄の取り崩しでまかなう動きが反映され始めていると述べた。
家計所得が収入全体に占める割合は72.2%に低下。1987年の統計開始以来、最低となった。
家計支出は1.2%増から0.5%増に下方修正された。
2021年末の英経済は、19年末の水準を0.1%下回った。速報値では0.4%下回っていた。
第4・四半期の経常赤字は73億ポンドに縮小。対GDPでは1.2%、第3・四半期は4.9%だった。
PR
PR
PR